吉岡充氏による第1部『 医療と介護の現場から(「介護療養病床の廃止」問題とは何か;「介護療養病床の廃止」になぜ反対なのか;「医療・介護難民」を生じさせないために)』と、村上正泰による第2部『医療制度改革の現場から(療養病床23万床削減決定の舞台裏;後期高齢者医療制度の問題点)』からなる新書です。
ご紹介したいのは、村上氏による第2部です。
村上氏は、当時勤務していた財務省から厚生労働省に出向し、厚生労働省保険局総務課において医療計画適正化計画を担当し「療養病床を15万床にに削減する計画」を担当し方です。この療養病床削減計画が実際に進められた現場で、何が起こっていたのか、政策の背景の医療保険財政の問題点、人口構成(被保険者)、産業構造の変化等々は勿論ですが、政策立案の現場の右往左往が、赤裸々に描かれている。
小泉政権の「国民的人気」を力の源泉として、社会保障費削減のターゲットとなった「療養病床」問題が描かれる。さらに、小泉政権でプログラムされた「後期高齢者医療制度」が後継政権で姿を現した際の、国民との亀裂と政策の迷走が記述される。
政策の迷走が生んだ「高齢者医療難民」を考える上で、必要となる一冊です。
医療政策、社会保障政策を考える上で是非一読をお勧めします。