日本の高速をほぼすべて実走したという、著者の高速雑学本。巻末に著者の挙げる参考文献を半分くらい読んでいるが、西成氏の渋滞本以外は、あくまで執筆のベースにしているだけで、多くは猛烈な走り込みに基づく結論から書いている。渋滞の踏破情報もかなりあり、実際走ってみないと分からないもんだなあと思う。中央道は学生時代、使っていたので相模湖が混んでいても下道はもっと混んでいるという「常識」はあったが、渋滞時の高速と下道の競争を実際にやって、ほとんどのケースで「それでも渋滞」というのは、なるほど、と思う(理由は本書内で色々述べられているが)。中国道の線型の悪さや鹿沼で詰まる東北道の話は全く土地勘が無く、興味深く読めた。
また、自分が知らないうちに高速道路のネットワークがずいぶん変わったもんだと感心した。いつの間にか、名神のコースは2通りあるし、山陽道なんてものも全通し……。著者が語る現在と近未来の高速ネットワークの話を読んでいると、日本の高速ネットワークが信じられない速度で四通八達しているように思う。著者は道路民営化で、高速道路にコスト意識が生まれ、工期も早く、サービスエリアの飯もうまくなったというが、なるほどそうなのかも。首都高、しかも特定のルートしか使わないし、そもそも車自体をほとんど運転しない都市生活に慣れきっていたが、本書を読み、日本が自動車社会であることを実感した。