仮に、この本だけの知識で魔術を再現しようとしても難しいと思います。
アウトライン的で、詳細な周辺情報はどこかで補わなくてはならなそうです。
むしろ、そういう目的ではなく、魔術とかオカルトとかの
先入観なしに読むと結構、興味深いです。
19世紀の風俗、サブカルチャがどんなものだったのか、そんな背景の中で、
キリスト教の各宗派、フリーメーソンなどの結社、降霊会などのグチも交え、
著者がどんな意見、哲学を持っていたが良く分かります。
著者からすると、キリスト教の各宗派、フリーメーソンも過去にあった理念、秘密主義と厳格さを
失いつつあること嘆いているようにも見えます。
どうも著者の思想の根底にはヘルメス哲学があり、彼の目的は過去から綿々と続く、
宗教的、魔術的成果を統一教義、普遍的な教義として再構築できなかということらしいです。
本の表紙はおどろおどろしいですが、読み進めていくと、著者は良識的であることがわかります。
そして人間臭く、女性には痛い目にあったせいか、時にその描写が辛らつなところは可笑しなところです。
-追記-
グリモワールの歴史を読んで著者がその道の大家であることを知りました。
氾濫していたグリモワールに対して白黒つけるのに一定の役割を果たしたキーマンらしい。