ほぼ半世紀前、高橋秀俊先生の東大での講義の内容が、この講義を受講した藤村靖先生のノートを元に、日本物理学会誌に連載されました。その後、丸善から単行本として出版され、この度、ちくま学芸文庫の一冊となったものです。
物理学を俯瞰する内容になっています。熱力学、解析力学で、ルジャンドル変換や相反定理など形式的には分かるがしっくりしないところが、高橋先生の思考に導かれて、当然と思えるので不思議です。後半は、電気回路の四端子回路を例にして議論されているので、電気回路の考え方に慣れる必要があるかもしれません。
この文庫版の巻末には学習院の田崎先生の解説があり、高橋先生が『物理の散歩道』の著者「ロゲルギスト」のひとり「ロゲルギストT」であることなどのエピソードが書かれています。