氏が全国新聞の書評欄で音楽原理の本当の基礎みたいなことを書かれていて、面白いと思ったです。本著書もマストアイテムですけども、音楽ファンのワテとしては、やはり氏の音の方を先に聴きたい。ほいで、前にゴルトベルク変奏曲(1976)は聴いて、シンプルで強い音に大いに惹かれていたので、氏の自作自演も本書の時期に合わせて聴いてみたです。
やはり1976年、Yuji Plays Yuji、タワーレコーズから発売(グラモフォンのマークが小さくあるので再販?)されとったのに、廃盤みたいです、残念。「毛沢東詞三首」は瑞々しくアブストラクトなピアノソロで、「梅」のところでは、アルペジオが生命を帯びているかのよう。三首めで、生き物が湧き出すかのような羽目をはずした曲。
「ローザスII」は、特殊な音階、特殊な調弦のピアノで不思議な鐘の音のような響きから始まり、緩急織り交ぜて次第に不思議なガラスか氷の建造物のような響きになり、音楽世界の独自性が出色。「橋I」からエレピになり、シンセの迫ってくるような連続音と重なる曲。エレピのアブストラクトなフレーズが次第に旋律的になるところが、美しく響く。ちなみに、本曲の音楽理論の基になっている7つの橋の問題はワテには解けません。解なしではないでしょうか。
「メアンデル」は、左右ステレオでわずかに0.何秒キーボードの音を多重録音した、疾走するようなフレーズ。音に歪をかけた、ハードロックギターのようなシンセの音だろうか、先の疾走する動物に対し、のっしのっしと象のようだ。次第に、疾走が動揺したようになり、そしてロックのリフレインのような闘いのようなフレーズになる。3度入る、英語のナレーションも独特の音楽世界の奥深さを暗示しておりますなあ