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高校生のための論理思考トレーニング (ちくま新書)
 
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高校生のための論理思考トレーニング (ちくま新書) [新書]

横山 雅彦
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (16件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

日本人は議論下手、論理的に話すのが苦手だ。なぜなら、日本人のコミュニケーションは、お互いの心のうちを察し合うハラ芸で、日本語には本来「論理」が存在しなかったからだ。いっぽう論理思考とは、西洋人の「心の習慣」であり、「英語の思考様式」にほかならない。本書では、言語の背景にある文化や風土、それに根ざした心性を見直し、言語を通じた文化比較から、英語がどのように論理を組み立てているかを理解、それを日本語に応用する。小論文からビジネスにも活かせる画期的な論理思考入門の書。

内容(「MARC」データベースより)

日本人は議論下手。なぜなら論理思考とは「英語の思考様式」だから。言語を通じた文化比較から、英語がどのように論理を組み立てているかを理解、それを日本語に応用する。小論文からビジネスにも活かせる論理思考入門の書。

登録情報

  • 新書: 215ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2006/06)
  • ISBN-10: 4480063056
  • ISBN-13: 978-4480063052
  • 発売日: 2006/06
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (16件のカスタマーレビュー)
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形式:新書
論理とは英語のことだ、という内容の本。ここで言う「論理」とは、いわゆるロジカルリーディングとか論理的に話しましょう、とか言うときの「論理」。論理学のことではないので、排中律とか対偶とかいうような用語は出てこない。

論理とは英語という言語(の運用習慣)に染みついているもので、日本語には本質的にはなじまない。しかし、翻訳文化の発達した日本では、日本語にある程度の論理性を取り込まざるをえなかった。それは、日本語(日本文化)を破壊するものでももあった。そして…、

以下、内容紹介(要約)。

英語では常に、明確に主張を述べなければならない。なるべく言わないで察してもらおうとする日本語とは根本的に違う。日本では、配られたプリントが足りないときに「足りません」と言うと、もう一枚もらえる。これが日本語の(察するという)心。英語では、足りないではなく、「もう一枚ください」と言わなければならない。これが英語の(ロジックという)心。

英語によるコミュニケーションは議論(ディベート)というかたちで行われる。要求なり判断なりを常に明確に主張(クレーム)しなければならず。クレームには論証責任がともなう。論証はデータとワラント(そのデータを用いる根拠)から成り立つ。

例:「UFOは実在する」 クレーム
  「イチローが見たと言っている」 データ
  「イチローは正直だ」 ワラント

対話相手は、データかワラントに対して反論しなければいけない。これは、「UFOは実在しない」とクレームに攻撃すると水掛け論になってしまうので、「イチローが見た」とか「イチローは正直だ」とかの根拠のほうを崩しにいかないと議論にならない、ということ。

論文は一人ディベートだから、クレーム・データ・ワラントのかたまりで段落をつくっている。そして、どのセンテンスが、クレームであるかは形式的に見つけ出すことができる。1、相対的形容詞を含むか、助動詞(述語動詞に対して、話し手が判断などをくわえる)があるか、主観的な動詞がある。2必ず現在形である。3、従属節や副詞句でない部分(スケルトン)に論証責任がある(1、および2のようになっている)。

また、クレームが段落の先頭にあれば、法則から個別事例が導かれる演繹型、末尾にあれば、さまざまな例から一般事例を導く帰納型である。段落の途中にある場合は、まず対立する主張が述べられてこれに反論する形でクレームが出されるので、直前に必ずbutがある。

日本語には、もともとこのような意味での「論理」はなかったが、明治以降の言文一致運動の中で、「翻訳」というかたちで論理をとりいれた。しかし、冠詞がなく文法構造が根本的に異なる日本語では、論理を示す文法指標がすべて失われている。

したがって、現代文で「論理」をあつかうのは非常に難しい。

日本語は非論理的なのではなく「前論理的」なのであって、この日本語の特質こそ国の個性である。明治の日本人は論理を取り入れつつ、前論理的な特質を守った。論理は特殊英語的な発想であって、普遍妥当なものではないから、完全に論理的にしてしまうと日本語は破壊されてしまう。どんな風に論理を取り入れつつ、前論理性を守っていくかが今後とも課題だ。

以上、紹介終わり。

こんな風に書くと日米比較文化論のようだが(その面もあるが)、「高校生のための」とあるように、学参としての一面もある。論理構造を示す統語論的指標を見つける習慣をつけると難関大学の長文試験も簡単(内容を読まなくても)に解けるという。また、日本語の現代文を読むときにも役に立ちそうだ。現代文と呼ばれるような評論文は、根本的には英語的な発想で書かれているからだ。

古来の日本語を「体読」すべし。とか言っているのだが、日本語のよさとは何か、具体的にはどういう特質か、それを守るには今後どうしたらよいか、「論理」との折り合いをどうつけていくのか、というような考察がもう少しほしかった。
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18 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
クレーム(論証責任)、データ(事実)、ワラント(データを挙げる根拠)の三角形による筆者のロジックの説明に関しては有益であると思う。
一方で、気になる点も挙げておく。「日本人のコミュニケーションはテレパシー」(pp.19-21)においては、日本語では「音が丸聞こえだ」「プリントが足りません」というように非明示的に言い、英語では「音を下げてくださいますか?」「プリントを○枚ください」というように明示的に言うとされている。筆者は、日本語と英語の「心の習慣(=ロジック)」は違うと主張するのであるが、英語でも、非明示的に表現することもある(Do you know what time it is?でそろそろ帰る時間であることをほのめかすなど)。そのあたりは、『関連性理論』などで研究がされている。また、日本人のコミュニケーションが英語化しているという主張の根拠として、「コンピューターのキーボードを打つ」ことで、「日本語を文章化する前に、いったんアルファベットに置き換えているわけで、その思考が英語化するのは当然である」(p.35)ということが述べられている。しかし、表音文字の平仮名、片仮名を使っている日本人が、同じく表音文字のアルファベットを使うことによって、なぜ「英語化」することになるのか不明である。
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29 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By QWERTY
形式:新書
Claim、Data、Warrantの3要素で議論分析するいわゆるトゥールミン・モデルを実践的な思考ツールとしてわかりやすく伝授。

特に、Warrantが次のパラグラフのClaimとなって議論を転がしてゆく機能を正しく指摘・解説している点は、巷のディベート本と一線を画す。

同著者の実況中継シリーズで演習を積めば、大学受験でも強力な武器となるだろう。

大学入学以降、さら発展的に学習してみたい人は、英語Wikipediaの"Stephen Toulmin"のページを手がかりにしてほしい。

邦語文献としては足立幸男「議論の論理―民主主義と議論」を薦める。
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