努力と精進、利益と欲得などテーマごとに再編してあります。
訳文、書き下し文の順に進み、これについての解説はほとんどありません。
一般的な訳と違った訳をしているときに、申し訳程度に解説が加えられているぐらいです。
しかし、訳文を読めば、他書が解説している以上のことがよく伝わってきます。
文章の解説でするような話まで訳文の中に盛り込んで訳してくれていますから、
訳文を読むだけで、書き下し文を深いレベルで理解できます。
これほどまでに誰もが理解できるレベルまで咀嚼して書かれている訳文を読んだことがありません。
時に意訳をしすぎているところもあるでしょうが、専門家でない私には、全く気になりませんでした。
いままで、中途半端な訳に頼って、生半可な理解しか出来ていなかった文章を、
この本を読んで初めて理解できたところが何箇所もありました。
さすが高校の先生だけあって、現在の生活に生かすよう論語に息吹を吹き込んでくれています。
郷党第十にある「車に升(のぼ)りては………」
を電車に乗るときのマナーと解釈して訳しているのには膝を打ちました。
高校生でない私も、そのわかりやすさに感動しました。
渋沢栄一、山本七平、中野孝次、中島孝志、………
といろいろな人の論語の本を読んできましたが、
論語の一文一文について一番納得がいったのがこの本です。