10年前の『高校教師』に比べると不出来だという方が多いですが、私は今回のほうが好きです。前作は近親相姦、レイプ、同性愛といった衝撃的な内容でしたが、今回のテーマは「依存」。前作との共通点はあくまで舞台が十年後というだけで、続編でもパート2でもない新しい『高校教師』として観れば、決して不出来ではないはず。
93年版も素晴らしいですが、個人的には何度観ても、キャラクターが根本的なところで出来事に振り回されている感が否めないのですが、今回はメインから脇まで、どのキャラクターも深く掘り下げられていたと思います。その意味で、たとえ嘘の世界の中で孤立した二人でも、お互いを見つめ続けた03年版の郁巳と雛の関係のほうが、前作の繭と羽村より本物に見えました。嘘が暴かれた後の残り少ない時間の中で、残酷な現実を受け入れ、なおお互いを思い合う姿は、野島作品の醍醐味である“透明感”そのもの。藤木直人さんと上戸彩さんの演技も、『高校教師』の世界にマッチしていたと思います。
ただ、初回の裏で話題の映画が放送していたり、同クールに同じく死を扱った素晴らしいドラマがあったり、タイミングに本当に恵まれなかったのが残念です。「依存」という、テーマの時点から前作のような衝撃がなかった今作は、『高校教師』のタイトルを背負うのにかなり不利だったでしょう。ですが、ひとつのドラマとして、完成度はかなり高いと思います。