本書は、対談2本・月1連載再録と収録にあたっての小コメントが、逆時系列で構成されていて、早々と8ヶ月で退陣した鳩山内閣の後で、政権発足→自民末期当時の対談を読むと、民主が所詮自民の亜流だと証明されているようで、切ない。
連載では、''村氏のコメントを通じて府民の民意、毎日新聞として橋下知事への苦言を呈する内容にし、読者のガス抜きをしているようだが、本紙面記事で橋下の批判は殆ど見ないし、新聞を読めと持ち上げるが、記者クラブ・広告を掲載する企業に配慮して書かねばならぬ情報も書かないとの重大な欠点を指摘しないし、事件コメントを''村氏に依頼しても、系列TVにコメンテイターとして出演する事も、私の知る限りなく、新聞の宣伝かともとれるが、「この国や世界で今、何が起きているのかを知り、自分の存在を時代の中で位置づける」為に新聞を読まねばならない点に異存はない。
大量の情報を迅速に処理早く届けようと記号化し、言葉だけでなく論理も単純化する事で、本来の言葉が持つ複雑なものに向き合い説明する能力が、大人も子どもも欠如している。
この幼稚化がお任せ民主主義を助長し、住民が地域の政治を選択する本来の自治を阻み、地方議員による行政監視によって、中央で官僚のするべき事も少なくなり整理される、との未来図をも閉ざしているとの気付きは訪れぬまま、「成熟した中堅国家」でなく、今まで通り銭原理主義の価値観を持つ単なる貧しい国へときられた舵は、修正不可能な時期を過ぎているのではないかとも考えさせられる。
毎日新聞に、ボランティアや市民運動情報、市民を取り上げた紙面作りは少ないながらある。
せめてもの罪滅ぼしとして、オンブスパーソンや人権運動へと気軽に読者が参加できる取り組みも進めてこそ、18回続けた本書連載が生きてくるのだが…