ある時、私はリンゴ収穫の手伝いをしていた。畑にはずっと AM ラジオが流れていた。七尺の脚立の上で作業していた私は、偶然オンエアされていた女性歌手の歌に釘付けになり、まさに心奪われた。別の木で作業していた妻が、仕事が終わってこう言った。「今日、すごくうまい女の人がいなかった?」その歌い手こそ、高木麻早だった。この作品は、彼女が 1973 年、短大二年の時のデビュー盤らしい。詩やメロディーに合わせて微妙に表情を変える並外れた表現力。声には自然なコケットリーと艶やかさがあり、どこまでも心地よい。サウンドはカントリー調だが、彼女の歌はまぎれもなく「ソウルフル」だと思う。私は彼女の歌にリアルタイムで触れていたわけではないが、時代を超えた価値のある珠玉の一枚だと思う。