1940年といえば映画館で映画を見る時代。上映の効率を考慮して、あまり長い映画は作りにくかった。本作も117分に納めるために、原作をかなり変更。例えば、ダンスパーティが屋外の園遊会になり、コリンズから逃げるリジーをダーシーが助けたり、リジーが弓矢の腕でダーシーを圧倒して、お転婆ぶりを発揮する。コリンズとダーシーが多くの会合で一緒にいるが、これは原作の異なるシーンを合体させたから。しかし原作の基本に関わる改変がさらに二つある。(1)リジーのペンバリー(=ダーシーの屋敷)訪問がないので、リディア駆け落ちの報が旅先のリジーに打撃を与え、それを見たダーシーが救済に立ち上がるという、二人の再接近の動因が消えてしまった。(2)キャサリン夫人は最後に、リジーとダーシーの結婚を支持して陰で力になるという原作と正反対の展開。映画全体として、プロットだけが次々に並ぶので、とてもあわただしく、リジーの心の揺れや内面の変化が描かれていない。ダーシー役のオリヴィエはいかにもダーシーらしく素晴しい出来だが、リジー役のグリア・ガースンは最初から最後までツンツンし過ぎている。しかし、原作とは違うコメディとして見るならば、一興の娯楽映画ではある。