全ページスカイブルーの本。空を飛ぶパイロット、しかも世界を股にかけて飛ぶ国際線ジャンボジェットの著書ならば当然だろう。男ならば誰しも夢見るかと言うに、高所恐怖症の人は、目を背けたいかもしれない。
コックピットから見える風景など、滅多なことで覗けない。
富士山・日本の秋・シベリア・丸い虹・飛行機雲・オリオン座・南十字星・オーロラ・人工衛星・流れ星・月…こう並べ立てても、視点が飛行操縦席からのものとなると、ただごとではない。
富士山…もちろん雪の富士山は抜群に美しい。しかし、山頂の風の強さと方向に気をつけるという。
シベリア…人跡未踏の山々が眼下に見下ろせる。川は自由に蛇行し、いたるところに三日月湖を残している。
虹…地上からは半円形に見えるが、太陽を背に飛んでいると、丸く虹が見えることがある。
飛行機雲…パイロットは、前を飛ぶ飛行機の飛行雲の形で、自分の飛行機が揺れるかどうか、判断するという。
オリオン座…オリオンの頭と胴体、腕が見えてくる。古代ギリシャ人の命名の知恵が偲ばれる。
南十字星…シドニーやシンガポール上空を飛ぶと見えてくる。天の南極も近い、目印とともにロマンの星。
オーロラ…最も宇宙の神秘を感じる時。北欧神話が思い出されるという。
人工衛星…星のように輝きながら移動する。飛行機よりずっと速く、流れ星よりずっと遅い。
月…月はパイロットの見方。満月だと、まるで昼間のように、遠くから雲の大きさと位置がわかっていいのである。
大空を飛ぶ夢を居ながらにして実感させてもらえる魅惑の本です。一度は繙いてください。