介護事業のコンサルを長年やってきて、今、サービス付き高齢者向け住宅の開設の支援をしているので、参考にと、アマゾンで購入して、昨日から読み始めた。今2/3ほど読んだが、記述にかなりの疑問があるので敢えて書くことにした。
「老人福祉法では介護施設での同一人物による24時間看視が義務付けられている」、「介護保険法では入居者1人に、スタッフ2人配置する基準がある」というが、そんな規則は無い。
「法律で介護職員の給料が決められている」というが、そういうこともない。「入所者は介護サービスは2時間ごとでないと受けられない」とあるが、そういうことはない。「命にかかわることがあっても、職員は医者や救急車がくるのをただ待つだけです」とあるがそれも同様。規制の介護にかかわる制度や事業者を悪者と決めつけた偏見に基づいているのではないか?。「デイサービスでは健康診断、往診など定期診療が必要になるため、(医師は)安定的な診療報酬を確保できる」というが、そんな規則はない。事業収支計画の例でも、初めの単純なモデルでみると、100%入居が前提となっているが、すでに、家賃は都市部でも価格競争に入っているなかで、満室前提の収支計画はリスクがあろう。
地主が自ら入居者に賃貸する場合の、管理コスト、手間については記述がない。そうでないならば、サブリースとなろうが、その場合、このような利回りは不可能であろう。そもそも、単純利回りの計算方法が示されていないのは不親切。
併設のデイサービスセンターの家賃も設定が高額と思われる。生活相談や見守りといったキモになる、緊急通報サービスについては、機械警備を想定しているが夜間無人の高齢者住宅はなかなか受けいれられないだろう。
容積率150%の土地に、5階建て容積率300%の建物を設計しているのも不可解。高齢者の住宅は低層が基本であり、5階の住民は認知症が進むのではないか?居室に浴室なしプランを見ると、共同浴室を配置しているが、上階に住む者がわざわざ1階まで下りてくるのであろうか。土地の有効活用優先のプランだろうが、入居者にとって快適だろうか。この本は補助金や優遇税制、低利融資と魅力盛り沢山のサービス付き高齢者向け住宅事業参画を狙う、異業種、不動産オーナー、医者をターゲットとしたものであろうが、実情とのかい離があるので、この本を参考にするのは、注意した方がよいと思われる。評価はシステム上1つ星だが、無しにしたい。