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高丘親王航海記 (文春文庫)
 
 

高丘親王航海記 (文春文庫) (文庫)

渋澤 龍彦 (著)
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出版社/著者からの内容紹介

幼児からエクゾティシズムの徒であった親王は、占城、真臘、魔海を経て一路天竺へ。怪奇と幻想の世界を描ききった読売文学賞受賞作


内容(「BOOK」データベースより)

貞観七(865)年正月、高丘親王は唐の広州から海路天竺へ向った。幼時から父平城帝の寵姫藤原薬子に天竺への夢を吹きこまれた親王は、エクゾティシズムの徒と化していたのだ。鳥の下半身をした女、犬頭人の国など、怪奇と幻想の世界を遍歴した親王が、旅に病んで考えたことは…。遺作となった読売文学賞受賞作。

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26 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 夢幻の彼方へ, 2001/4/26
病床に臥しながらも執筆された澁澤龍彦の遺作であり、その思想を総括する最高傑作。物語の半分以上が高丘親王の夢であり、アンチポデス、アナクロニズム等が存分に発揮されている、まさに幻想文学の手法の全てがつまっていると言っていい作品。「黒魔術の手帖」やサドの翻訳など、西洋(裏)文化の紹介者としての活動も積極的であった筆者の最終的に選んだテーマが輪廻転生であり、東洋思想であった点は我々日本人としても考えてみる余地があるのではないかと思う。幻想文学というと色目で見る方がいるかもしれないが、この本のテーマは普遍的な実存の意味にまで昇華されており、一生涯を通じての愛読書となる事は間違いないであろう。
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22 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 夢と夢とが織り合わされ、軽やかに羽ばたいている夢幻譚, 2004/5/28
By 風(kaze) - レビューをすべて見る
(TOP 1000 REVIEWER)   

澁澤龍彦さんの遺作となった本書には、著者の紡いだ夢まぼろしが軽やかに、

自由に飛翔している趣がありました。時間と空間を越えてのびのびと羽ばたいて
いる想像力のきらめき。話の底を流れている透明感と清々しい風韻。
おおらかで屈託のないほがらかさ。素晴らしい夢幻譚の数々に酔いしれました。

航海の途中で親王が体験する不思議な話のいくつかを読むうちに、このまま

天竺に着かずに南海諸国をうろうろしててくれたらいいなと、そんなことも
思ったりして。高丘親王、今回の話ではどんな夢を見せてくれるのかなと、
それがとても楽しみで頁をめくっていきました。

「そうれ、天竺まで飛んでゆけ」という魔法の呪文めいた言葉が素敵です。
登場人物にパタリヤ・パタタ姫なんてのが出てくる。ネーミングがいいなあと、

にこにこしちゃいました。

透明感に包まれた美しい夢幻譚にめぐり会えて本当に良かった。
折に触れてひもとき、読み返したい一冊になりました。

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11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 天の蒼穹へと融け入るような七つの夢幻譚, 2007/10/25
By 東の風 (埼玉県) - レビューをすべて見る
(TOP 50 REVIEWER)   
 夢と現実のあわいを行き来しているうちに、一体どちらが夢でどちらが現実なのか分からなくなってくる、そうした味わいにするすると引き込まれてゆく連作短篇集。そこには、モーツァルトの20番以降の「ピアノ協奏曲」を彷彿させる調べがあり、自由の境地に遊ぶ清澄な美しさに魅了されました。
 六十七歳というのに童子のように天真爛漫な御子(みこ)こと高丘親王が、数人の従者とともに天竺へと向かう道中の、不可思議な話を記したファンタジー。「そうれ、天竺まで飛んでゆけ。」の言葉をモチーフにして、夢のエッセンスのような幻想譚が展開されていくのですね。久しぶりに再読したのですが、これはやっぱり素敵な幻想綺譚だなあと酔わされましたね。
 さらに、妖しい感じが、ドラコニア王国の主・澁澤龍彦の面目躍如たるもの。江戸時代の絵師・伊藤若冲(じゃくちゅう)の、鳳凰を描いた「老松白鳳図」という絵に漂うエキゾチックな妖艶美と気脈通じる味わいに、うっとりとさせられました。
 澁澤龍彦の小説では、『唐草物語』『ねむり姫』『うつろ舟』もそれぞれに珠玉の短篇集だけれど、ただ一冊だけとなれば、この遺作を選びます。はるか天の蒼穹へと融け入るが如き、七つの夢幻譚の香り高き調べ。絶品、と言うしかありません。
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投稿日: 2002/7/24 投稿者: moon

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