メタローグ
今年一番印象に残った小説は? と問われれば、個人的にはこの作品を挙げたい。日活らしき映画会社。青春アクションで絶頂期にあった1960年前後と、テレビに敗れてポルノへ方向転換させられた70年前後という2つの時代を、ある企画担当者の目から描く。美人プロデューサーや会社を乗っ取る労組幹部、ヤクザ物の職人監督など実在のモデルを探す楽しみも。当時は一人負けだった映画産業の実態が、今どの会社にも起こっている。その現代性がクラシカルな味わいを漂わせるこの小説を光らせている。一度でも映画を好きだった経験のある現役サラリーマン必読の書だ。(石飛徳樹)
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内容(「BOOK」データベースより)
日本の高度成長が始まる1960年代末。大手映画会社の企画部長、香貫晨一朗は、三億円強奪事件を題材にした映画の製作を任される。社運を賭けた作品は果たして成功するか?仕事に情熱を傾けつつも、会社という組織に生きた男の夢と挫折。映画産業が衰退していく時代背景のなかで、業界に生きる人間たちの野心やざわめきを描き、戦後日本史の一側面を生き生きと捉えた、著者会心の大作。