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高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)
 
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高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568) [文庫]

フィリップ K.ディック , 浅倉 久志
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (16件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

1962年に書かれた長編小説。ディック中期の傑作。

登録情報

  • 文庫: 399ページ
  • 出版社: 早川書房 (1984/07)
  • ISBN-10: 4150105685
  • ISBN-13: 978-4150105686
  • 発売日: 1984/07
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (16件のカスタマーレビュー)
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29 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 紫陽花 VINE™ メンバー
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もし第2次世界大戦で枢軸国側が勝っていたらという設定のパラレル・ワールドを舞台にしたP.K.ディックの代表作。設定はどうであれ、作者の関心は常に社会のあり方、その中での人間模様、表面的な欺瞞の裏に隠された真実にあり、本作ではそれらが遺憾なく描かれている。作中で、「もし連合国側が勝っていたら」という設定(史実に近いが微妙に異なる)の小説が登場し、「高い城」はその小説家が立て篭もっている場所を指す。レビュー・タイトルはその小説の名前である(聖書からの引用)。

作中作で描かれる世界もかなり醜いもので、戦争にどちらが勝とうが、作者が物質中心の世界に希望を見い出せないでいる事が分かる。その代わり精神性を重視している点が目立つ。戦勝国のドイツと日本の描写を比較すると、ドイツの政治家が醜悪に描かれるのに対し、日本人の精神性の高さが評価されている。面映い程である。特に領事の田上の武士道的精神性は殊更強調されており、作者をして「私の願いは田上氏がいつまでも記憶に残ることだ」と言わしめている。作者が、易経、禅、伊万里焼など日本、中国の研究を良くしているのにも驚かされる。そして、ユダヤ人が作ったオリジナルの装飾品に新しい世界の創造の光を見る辺り印象的である。それにしても、作中に出て来る次の短歌は英語でどうやって表現したのだろうか ?

「ホトトギス鳴きつる方を眺むればただ有明の月ぞ残れる」

もう"SF"という冠がいらない程の、物質社会への批判と精神性・創造性の重要さを説いた傑作。
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27 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 もし第二次大戦が枢軸国側の勝利に終っていたら?という歴史改変型SF。しかし、そこはそれ、ディックだけにそれだけでは終らない。この作品の世界では中国の古い占いの書『易経』が人々の行動の指針として広く普及している。主人公たちは人生に迷うたびに『易経』の卦によって将来に対する指針を決定するのだ。しかし、これにはさらに驚くべき裏話が隠されている。なんと、作者のディックは登場人物が作品中で占いを立てるたびに、実際にコインを投げ、そこで得られた卦をそのまま小説に書いていったという。小説のプロット自体が『易経』に支配されているのだ。いや、ディックらしいというか……。ディックにとって現実と幻想は同じものだったに違いない。
このレビューは参考になりましたか?
30 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
ディック入門 2006/3/29
By yjisan
第2次世界大戦で枢軸国側が勝利した世界。世界は日本とドイツによって二分され、アメリカ合衆国も両国に分割支配された。太平洋沿岸諸州は日本に、東岸諸州はドイツに。

 日本が支配する太平洋沿岸諸州では、アメリカ人は日本人に媚びへつらい、尊敬の念すら感じており、日本人は古き良きアメリカの文化に感傷的な憧憬を抱き、その生活様式を模倣していた。

 かつての尊厳と誇りを失ったかに思えたアメリカ人だったが、彼らの間で或る小説がはやっていた。その名は『蝗(いなご)身重く横たわる』。『高い城』と呼ばれる要塞のような邸宅に住むといわれるアベンゼンという作家が書いた作品で、第2次世界大戦で日本とドイツが敗れ、アメリカとイギリスが世界を二分するというその小説は、ドイツ側で発禁本とされ、日本側で大ベストセラーとなっていた。

 そして、世界情勢は、再び悪化しつつあった。かつての同盟国である日本とドイツが、対立を深めつつあったのだ。平和な世界の水面下で進行していく陰謀・・・・・・

 この作品では、ディックのよく用いる「本物/贋物」のテーマが頻繁に現れる。アメリカ美術工芸品のイミテーション、人種・経歴を偽る登場人物たち、偽の歴史を書く『蝗』、そして枢軸側が勝つ虚構の世界・・・・・・ そして不確実な現実を象徴する易経。ディック作品全てに言えることだが、作品の裏に隠されたメタファーを読み解くと、より興味深く読めるだろう。

 眩暈にも似た強烈な現実崩壊の感覚を堪能できる傑作。1963年、ヒューゴー最優秀長篇賞受賞。ディックの作品の中では比較的読みやすく、入門としては最適だと思う。
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最近のカスタマーレビュー
易が「私」に書かせた物語
大雑把に言うと次の3つのストーリーライン

1.ビジネスノベル脱サラ独立系
2.国際政治ノベル諜報活動系... 続きを読む
投稿日: 11日前 投稿者: もあ
書かれたのは1963年(昭和38年)東京オリンピックの直前,
もし、第2次世界大戦で枢軸国側が勝利し、アメリカを日本とドイツが占領したら
という着想で書かれた作品である。... 続きを読む
投稿日: 3か月前 投稿者: Gori
日独は負けてよかったっていうこと
... 続きを読む
投稿日: 4か月前 投稿者: ヒデボン
懐かしい
わたしは中学校のころアシモフやクラークを読んでいて、高校生になってからディックにはまりました。... 続きを読む
投稿日: 8か月前 投稿者: David Linklater
フィクション世界が現実に浸入する、驚くべき感覚
第二次世界大戦でドイツと日本が勝利したアナザーワールドが舞台のサイエンスフィクション。... 続きを読む
投稿日: 23か月前 投稿者: 一市民
現実と虚妄の○○した世界
新しいカバーの版が出ていたので、改めて買いました。昔はオチがよく理解できなかったのですが、我々の生きる現実の世界に、自己認識と世界(世間)とのずれを感じるようにな... 続きを読む
投稿日: 2010/3/24 投稿者: はにまる
設定は面白いけど
... 続きを読む
投稿日: 2010/1/1 投稿者: 魏
もう1つの戦後
... 続きを読む
投稿日: 2009/8/6 投稿者: tabasco
SFである。お馬鹿なシュミレーションものではない。
SFから見た第二次世界大戦後の物語。

ちまたに溢れるお馬鹿なシュミレーション物とは訳が違う。... 続きを読む
投稿日: 2006/5/11 投稿者: 蘇冬
一般読者にも読んでもらいたいSFの傑作
まず物語の構成がすばらしい。... 続きを読む
投稿日: 2006/1/3 投稿者: buccaneer
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