死体がいっぱい出てくるファンタジー少女漫画です。
食人鬼の少年や、ゾンビ的なもの(再生死体)などが出てきます。
再生死体は人間を殺しますが食べませんので、ゾンビファンの方のお気に召すかは判りません。
更に、7話(1巻未収録)では再生死体が走っていたので、ロメロ監督の歩くゾンビが好きな方からすれば、そこも邪道かもしれません。
本作の舞台は、過去作品『ピカピカ家畜』の世界や『黒い世界』の世界と似た雰囲気です。それらの意匠がお好きな方には、特にお薦めします。
作者の、どこか醒めた視点で狂気や悪意を描く手腕は、今作でも発揮されています。
救いがなくニヒリスティックなお話ですが、舞台が現実世界と接点を持たないファンタジー世界であるためか、フィクションとして楽しめます。
絵については、人物も綺麗ですが背景や小道具もとても美しいです。
描線が細くスクリーントーンが少ない画面からは乾いた印象を受け、視覚的なグロテスクさは控えめです。
表紙を見て、BL的な内容を想像なさる方もいらっしゃるかと思います。
『黒い世界』『時間・空間・人物』のようなガチのBLではありません。
が、主役である1人と1匹の、お互いへの執着のようなものは描かれています。