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骨の火 (講談社文芸文庫)
 
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骨の火 (講談社文芸文庫) [文庫]

森内 俊雄
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

少年の持つ純粋さから、カトリックに入信した漆山。高校時代、級友を傷つけ、その告解の機会を逃したことから、神に背き、淪落の道へと迷い込む。大学時代、寄宿先の母娘と通じ、後に2人を死へ追いやったことで、後半生、精神の病に囚われるが、影のようにまといつく娘の父親の存在が、漆山に終末の日を迫る。人間の深奥にある欲望と、罪の意識の相剋の劇を描破した、異色のカトリック文学。
森内俊雄
のっけから難問を突きつけてきた。彼は私に尋ねた。自分はいったい、何のために生きているのだろうか。人が生きる、その本当の目的は、何であるのか、それが知りたい。彼は真面目で真剣だった。私は自分の作品『骨の火』の主人公、漆山陽三がうつし身として蘇り、出現してきたような気がした。漆山より遥に純粋一途な人間が、私を詰問しにやってきた、と思った。<「著者から読者へ」より>

内容(「BOOK」データベースより)

少年の持つ純粋さから、カトリックの入信した漆山。高校時代、級友を傷つけ、その告解の機会を透したことから、神に背き、淪落の道へと迷い込む。大学時代、寄宿先の母娘と通じ、後に二人を死へ追いやったことで、後半生、精神の病に囚われるが、影のようにまとわりつく娘の父親の存在が、漆山に終末の日を迫る。人間の深奥にある欲望と、罪の意識の克剋の劇を描破した、異色のカトリック文学。

登録情報

  • 文庫: 271ページ
  • 出版社: 講談社 (2004/11)
  • ISBN-10: 4061983873
  • ISBN-13: 978-4061983878
  • 発売日: 2004/11
  • 商品の寸法: 15 x 10.4 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 880,244位 (本のベストセラーを見る)
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
不勉強な自分は、この著者のことを全く知らずにいた。たまたま、書店で手にとって購入したのだが、これだけのレベルの高い小説家がいたのか、と唸ってしまった。主人公の漆原は、過ちを犯し、自らの信仰を裏切り、背徳的な行為を繰り返しつつ墜ちていく。彼が奈落への道を歩んだのは、果たして信仰を裏切ったからか、それとも、彼が信じた大いなる神の手の作為によるのものなのか・・・・。信仰とは何かを考えさせてくれるこの作品は、暗いトーンで終始しており、読後感も爽やかとは決して言えぬが、心に届くものがある。

解説に、主人公を巡る父の影がいくつかあると出ている。カソリックに入信することを止めた実父、そして家庭教師先の雇い主であり、終生、彼につきまということになる代父・藤沼。が、この小説中、父として主人公にまつろう一番大きな影は、聖なる父、キリストそのものではなかろうか?

このレビューは参考になりましたか?
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
重々しいです 2004/12/19
By 123
形式:文庫
主人公の漆山の神の愛に対する忘恩・傲慢さを嫌というほどに感じた。怪我をさせた友人の中指の血や教え子の麻利の流した処女の血は、神の愛であるキリストの受難のときに流された血に喩えられるだろうし、傷つけられていてもそれでも漆山を許し愛する友人や麻利の存在を通してイエスはご自身の愛をお示しになっているのに、その愛を貪り踏みにじり自我を貫き神に挑戦しているかのような彼の心のあり方に憤りを覚えました。
それから、麻利に関しては、中学生で処女喪失なんて個人的には良くないと思いますし、麻利の行いも彼女の漆山に対する恋心が健気であってもカトリック的愛と言い切れないところもあると思います。なぜなら、それが愛というよりも、母親と張り合う女としての情念を感じられたから。

神が選んだら、そのしるしは決して消えることはない。
そのことを熟知しているのであれば、逃げようとしても神の手からは死んでも逃れられないのだから、謙遜に神に祈り自分をおゆだねすることをなぜしないのだろうと、なぜ回心しないのだろう、なぜ、死さえも自分で計画的にしかも苦しむことの無い方法で選び地獄の道を歩んでいったのだろうと疑問に思った。

ところどころに、キリスト教的に興味深いことも書いてあって楽しめるところもありました。
選ばれた人間の骨の中には、神の愛の炎が燃え盛っていて、神の存在から逃げられないし受け入れていくしかないのだということを私はあらためて痛感した。

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