日本在住のアメリカ国籍のインド系という特殊な立場から書いた、インド系としての誇りと祖国への愛に満ちた本。やさしくすぐ読める。読めば、「インドといえばカレー」という脊髄反射から解放されると思う。覚え書き程度につらつらと書いておく。
インドといえばカレー以外に、ITや自動車、鉄鋼などはなんとなく強いイメージは前からあったが、今回とりわけヘェと思ったのが医学のレベルも高いらしいこと。アメリカの医師の38%をインド(系)の人が占めるらしい。また米国内では高くて受けられない治療を、かわりに比較的安めのインドに受けに行くということもあるらしい。
インドは中国といっしょくたによく語られ、実際、1991年のモンマハン・シンの経済自由化以来の発展はトウ小平以降の中国とダブる。賄賂の横行などで似ている面もある。が、筆者からすれば、中国といっしょにしないでくれ、ということらしい。わしらの売りは人件費の安さじゃなく、ITをはじめとしたクリエイティブな側面。コピー商品を排する公徳心の高さも中国とはちがう、云々と鼻息が荒い。
日本とのかかわりについていえば、インドからみて、日本は輸出先としてあまりよくないらしい。なぜなら、日本人の品質の要求水準が欧米とくらべて高いから。わざわざ日本と取引しなくても、旧大英帝国植民地として英語もわりとできるし、日本ほど品質要求が高くないまた商習慣も似ている欧米との取引が自然に多くなるとのこと。逆に日本からみたら国全体にまだまだインフラが整っていないインドにはビジネスチャンスがたくさんあるから進出しないのはもったいない、と著者。
ちなみにインドでは国籍がすでにインドではなくてもインド系であれば様々な恩恵を与えるNRIカードというものをインド系に発行するらしい。懐が広い国だな。これがあるからアメリカからのUターンもしやすいようだ。