過激な題名のタイトルのおかげで敬遠してしまう人も多いかもしれませんが、私はこの本を読んで良かったと思いました。今まで知らなかった西洋史の一面を知りましたし、こういう歴史の見方もあるんだ、という発見がありました。
著者は、海外生活の中で日本に対する誤解と偏見を目の当たりにし、積極的に反論してきました。しかし、多勢に無勢。後を付いてくる日本人もなく、ドイツの視聴者に街頭でビンタされるという体験もしました。
本書は、そのドイツ人に対して「根拠のない優越意識を持つな」と主張するドイツ語の出版物でした。同じ内容が、日本人に対しては「根拠のない劣等感を打ち破れ」というメッセージになっています。
江戸時代の暗黒時代が終わり、明治維新による欧化政策で日本は脅威的な発展を遂げた、……と一般的には理解されています。ところが、著者は、江戸時代の日本というのは決して捨てたものではなく、たくさんの優れた点を持っていた、と分析しました。
何より識字率が高く、富は国民に広く分配され、極端な貧富の差はなかった。支配階級であるサムライは、西洋諸国に比べるとずっと質素だった。3000万人の大市場が形成され、整備された水路・陸路などの交通網や銀行制度も十全に機能していた。
それは、明治時代の発展の十分な下準備と評価できると同時に、限られた土地と資源の中での共生モデルとして21世紀の世界を構築するモデルになるかもしれません。
かたや、ヨーロッパ大陸は自然に呪われた貧しい土地であり、オリエントから胡椒や絹等の富を輸入するための対価として、「スラブ人」と同じ語源の「奴隷(スレイブ)」を輸出するしかない、という暗い歴史を持っているとのこと。
この貧しさが大航海時代を生み出した原動力であり、母国から何千マイルも離れた異国を植民地にする執念を持つに至ったのです。
うーん。そうだったのかー。