『騙王』は王子が騙って王様になる物語。味王様とかそういうニュアンスじゃない。
だからスカッとしたり、目の覚めるようなトリックや騙りは使われない。
平均的なライトノベルよりは現実的な感じはするけど、歴史小説よりは軽い感じの読み物。
淡々としててツマランって意見も分かるけど俺は凄く好き。主人公がいいから。
主人公のフィッツラルド(どうでもいいけどフィッツジェラルドに空目する)は民とか愛とか歴史とか色々騙って裏切る。
こいつなんでそこまでして王になりたいんだ?ってまず疑問に感じる。生き残るためとか言ってるけど、他にやりようがある気がする。
それは、こいつが純粋だったからだと思う。慕っていた馬番が殺されて、彼は現実的で、大人のように「騙る」わけなんだけど
嘘だらけで裏切りだらけの王宮を、国を、歴史を、騙ってやることがこの王子の純粋さというか、なにがしかの
誠実さみたいなものを表してたんだって、最後のシーンで、そういう印象を受けた。
そういう意味で結局は少年的な主人公が頑張る話だし、そういう話は読んでて面白い。