南北戦争で戦闘が激化しつつある中、劣勢の北軍は、南軍の重要な補給
地であるニュートン駅の撃破を計画する。作戦の指揮を執るのはジョン・マ
ーロー大佐(ジョン・ウェイン)。早速、マーローは騎兵隊を率いて、目的地へ
向かうが、新任の軍医ケンドール少佐(ウィリアム・ホールデン)は、何かと
マーローに食ってかかり、二人の緊張は日に日に高まって行く…。
南北戦争の際、実際にあった事件を基にしたハロルド・シンクレアの原作の
映画化作品。フォードは、最初こそ作品に入れ込んでいたものの、撮影が進
む中、すっかり興味を喪失。スタントマンの落馬死亡事故が発生したことで、
それは決定的になったと言われ、フォードは、脚本にあった騎兵隊が北軍と
合流するラストを削除してしまった。フォード自身の述懐によると、完成作品
を観なかったそうだ。
「騎兵隊もの」となれば、フォードほど適任の監督はいないというのが、衆目
の一致するところだが、何となく、騎兵隊3部作の頃のような疑似家族的な温
か味とユーモアが感じられないのが本作だ。もちろん、フォードらしい演出が
ないというわけではないのだが(出色は、陸軍幼年学校の少年兵たちの進軍
場面で、ここだけは、フォード演出の面目躍如たるものがある)、どうも断片的
で、作品全体の基調、風味にまで至っていない感じだ。フォード一家の馴染み
の俳優が、少ないのも寂しい。フォード作品初登板のホールデンは、頑固な軍
医を好演しているが、人間味豊かな部分が少なく、生真面目過ぎるのではない
だろうか。彼とウェインの役との関係に、フォード作品らしい、腐れ縁的友情の
雰囲気が醸成されなかったのが残念。
ただ、フォード作品として観た場合は、物足りなさを感じるものの、平均的な騎
兵隊もの(あるいは西部劇)として観た場合は、職人フォードが、アクションを満
載して、そつなくまとめた佳作と呼んで差し支えないだろう。アクションのお手
本的作品である。
本Blu-rayは、HDテレシネ、レストアされたマスターを使用。オリジナル・キャメ
ラ・ネガかマスターポジからのテレシネかは不明だが、しっとりと深い色調の画
質(フィルム粒子が目立つ箇所もある)が実に素晴らしい。新作のような、フィル
ム粒子さえ除去したクリアさではないが、フィルムらしい画調を存分に味わえる
こと請け合い。DTS-HDマスター・オーディオの音声も自然な仕上がり。特典に
は、予告編(HD)だけが収録。日本語吹替えは未収録。