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商品の説明
内容紹介
「美術は進歩しないが、拡大する」「美術の歴史は作家だけではなく、享受者がともに作る」と確信する朝日新聞の美術担当記者が、書き続けてきた1500本の記事から、百本余りを精選。「近代の見直し」「制度」「女性」「国際/アジア」「拡大」などに分け、「同時代の美術」20年間をざっくりと振り返るガイドブック。
内容(「BOOK」データベースより)
朝日新聞の美術担当記者が、書き続けてきた千五百本の記事から、百本余りを精選。“同時代の美術”二十年間をざっくりと振り返る、便利で読みやすいガイドブック。
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著者は、1970年代初めに東京芸術大芸術学科を卒業して朝日新聞に入社、新聞記者として学芸関連?の仕事をした上で1991年5月から念願の美術担当となった。以降、朝日新聞の、というよりも日本の美術記者を代表する存在として活躍してきた。その間に書いた記事が1500本ほどあり、それから107本を選び抜いて本書に収めた。処女出版らしい。
新聞記事を集めただけに、美術の鑑賞者、享受者の立場から書かれている。作家、作品、美術館、ギャラリー、美術商に向けて書かれていながらも、それは研究者や、学者の立場からのものではない。それが本書の特徴だ。ことに現代美術となると、ビジネスがらみ、いつ、どの程度値が上がるかが話題となりがちだ。そのことには無縁と言っていい。現代美術は人の生き方に関わる「芸術行動」だと思う愚生は、拍手したい。
序章には、2009年に書かれた「ニッポン人脈記」の「前衛バカ伝説」を収めた。戦後美術史のトピックスを扱いながら、いかに「前衛」が活動、活躍していたかが記録されている。愚生としては、自身の美術鑑賞の一齣をレビューされているように読めて、楽しかった。この「前衛バカ」がこれからの日本美術にどう関連するか。
二章から五章、終章は、主題ごとの20年間の記事がまとめられていて、これは今後の日本美術、ことに日本の現代美術を観る、創る、商うなどの際に大いに参考となろう。愚生は、三章の「女性作家群の開花と主導」に教えられること多かった。それらの作家群が、鑑賞者の視線を十分に意識し、それに応える作品を創ることに力を注いでいたことに感銘を覚えた。それにしても日本の現代美術の享受環境の悪さは主客ともにひどい。そのことが全編に点のように記されていて注目させられた。
著者は、「後書きにかえて」の終わり近くで「美術の歴史は作家だけではなく、享受者がともに作る」と考えるようになったとし、機会を得られれば、「享受者を主人公に据えた、編み替えの試論をまとめたい」と書いている。本書をまとめる過程で大病をしたという著者だけに、読者として、自愛と共に精一杯の精進を期待したい。
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