駅神 (ハヤカワ文庫 JA ス 2-2)占いは、星占い血液型とあれこれあるが、一般の人にとってもっとも敷居が高いのが、易ではないかと思う。
自分は占いが好きだが、易はまったく歯がたたなかった。その易を使ったミステリということで期待しつつ読んだ。
四編の連作短編である。登場人物たちは、下町のどこにでもいそうな学生や老人。
下町の中心に小さな駅の終着駅(これは実在の京成金町駅)があり、そこに出没する謎の占い老人が、悩みを抱えた人の相談にのってくれる、というのが大筋。
なるほど、易の相談はこんなふうに行われるのか、というのがわかって興味深かった。
易経に興味のある人には、入門小説として手頃なのではないか。
老人と若い大学生の住むアパートは、高齢者と若者のユートピア的な共同体として描かれているが、そこにも少子高齢化の現実も否応なく忍びこんでいる。
同種の小説は少ないことから高めに評価した。