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駅前旅館 (新潮文庫)
 
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駅前旅館 (新潮文庫) [文庫]

井伏 鱒二
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

昭和30年代初頭、東京は上野駅前の団体旅館。子供のころから女中部屋で寝起きし、長じて番頭に納まった主人公が語る宿屋稼業の舞台裏。業界の符牒に始まり、お国による客の性質の違い、呼込みの手練手管…。美人おかみの飲み屋に集まる番頭仲間の奇妙な生態や、修学旅行の学生らが巻き起こす珍騒動を交えつつ、時代の波に飲み込まれていく老舗旅館の番頭たちの哀歓を描いた傑作ユーモア小説。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

井伏 鱒二
1898‐1993。広島県生れ。本名、満寿二。中学時代は画家を志したが、長兄のすすめで志望を文学に変え、1917(大正6)年早大予科に進む。’29(昭和4)年「山椒魚」等で文壇に登場。’38年「ジョン万次郎漂流記」で直木賞を、’50年「本日休診」他により読売文学賞を、’66年には「黒い雨」で野間文芸賞を受けるなど、受賞多数。’66年、文化勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 219ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (2007/10)
  • ISBN-10: 4101034052
  • ISBN-13: 978-4101034058
  • 発売日: 2007/10
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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26 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By シネマA トップ500レビュアー
形式:文庫
 最近は、井伏鱒二という名前を聞いても、「黒い雨」と「山椒魚」しか思い浮かばない世代が増えているらしい。かつては文壇の大御所だった人気作家も、時代が移り変わって忘れ去られていくわけか。淋しい話だ。

 昭和32年に単行本が刊行された「駅前旅館」は、井伏の作品のなかで「本日休診」「珍品堂主人」と並び称される、昭和の風俗小説の三大遺産と言えるだろう。こんなに飄々たる文士然とした小説家は、現代ではもう、とんと見かけなくなってしまったのではないか。

 いま読みかえすと、すこぶる渋い味わいの小説であることに気づかされる。老舗旅館の番頭さんの打ち明け話の、したたかな独白体のおもしろさ。特殊な業界をていねいに取材して書いていますね。下世話な人間観察の精妙と揺るぎなさ。屈折したユーモアの気品とほろ苦さ。まさに大人の読み物。

 このほど、文庫本の47刷にして改版をへて、活字が大きくなった。当初からの河上徹太郎の解説のほかに、池内紀の軽快なエッセイ風の解説があらたに加わった。作品の背景となる昭和の社会風俗をまったく知らない読者には、きっと理解の一助となるはずである。温故知新。出版社のこうした配慮には、日本文学への愛のぬくもりを感じた。

 もしもあなたの好みに合うなら、くりかえし読むに堪える逸品。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
以前に読んだときは,映画の原作のユーモア小説としてしか読めなかったのですが,文字が大きくなった新版で読んでみて,いろいろな仕掛けがあって,よく練られた小説だと思いました。たとえば本書は,駅前旅館の番頭である主人公が,自分のエピソードを交えつつ,仕事の表裏について語るというスタイルで進み,特に仕事の「裏」については隠語も含めて微細にわたるので,いったいこの小説は「小説なのか,聞き語りなのか」が判然としなくなったりするのですが,終盤になって一瞬,その謎が判明します。なるほどうまいなあ,と膝を打ってしまいました。昭和20〜30年代の旅行や飲み屋といった風俗の描写も,おもしろいです。
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