現役時代に華々しいスター選手であった著者が挫折を経験したのち、母校、早稲田大学の監督として、いかに「どん底」にあったチームを立て直し、ついに出雲・全日本・箱根と「大学駅伝3冠」を成し遂げた渡辺氏の「監督奮闘史」と言える作品。覇気がなく、挨拶もなく、部室も汚い・・・という「3ない」状態のチームを「何が足りないのか?」「どうすればよいのか?」を心から真剣に考え、OBの方々からのプレッシャーにも耐え?、やがて駅伝という競技で「勝つ」ための「戦略・戦術とは?」に至り、まずは自分の言動を変えることから始め、選手の意識を変える・・・という努力から、指導者としての行動やコミュニケーションの大切さ、「襷を繋ぐ」という駅伝に勝つための氏の「手探りしながら」の監督術が、その人間性の良さからか、読んだ後の何とも言えぬ爽快感(自身はもがき苦しんでいただろうが)を味わわせてくれる作品だ。ふと、氏の方法論、つまり人間と相対してコミュニケーションを取り、意識改革を行い、導く・・・ということはどんな事にも当てはまるのではないか?とも思わせてくれた作品。これを読んだら、約一カ月後に迫っている「箱根駅伝」で、渡辺監督も語っている様に、東洋大4年の「山の神」と呼ばれる柏原選手をどう攻略し、そして勝利を得られるのか?が待ちどうしく、今からお正月の中継が、余計楽しみになってきてしまう・・・ので、駅伝好きに方は、箱根駅伝までにお読みになる事をお勧めする。