私は現在アロマテラピー・インストラクターの勉強をしている者ですが、本書は意外にも、アロマの勉強をされている方に手にとって欲しい1冊だと実感しました。
香辛料は言うまでも無くハーブそのものであり、実際に植物精油(エッセンシャル・オイル)に抽出されて役立てられているものが数多くあります(本書ではクローブがそれに当てはまる。他にもブラックペッパーやマージョラム、ペパーミントなどがある)。
購入される前に注意して欲しい点は、“本書はあく迄、香辛料の交通史を軸に据えて紹介しているため、ハーブの作用/活用法や効能が記事の中心ではない”…ことです。
つまり、香辛料を巡る貿易の様相や、紀元前にあって東方(オリエント)由来の豊富な香辛料がどのように欧州へ輸入/紹介されたか、発見者は誰か、学名の名づけられたのは何時頃か…というような“香辛料にまつわる史実”を中心に書く…という周縁的な内容に絞ってあります。
文庫クセジュはこうした往々に“脇”として扱われる事柄を念入りに紹介/分類した内容のものが多く、それらは何れもフランスらしい鷹揚さに満ちていて、勉強のみならず楽しく読める本が多い。本書もその1つとして、私はいつも座右に置いてあります。