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21 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
シリーズ最後にしてはおとなしい感じ?,
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レビュー対象商品: 香菜里屋を知っていますか (単行本)
三軒茶屋の路地の突き当たりにあるビアバー「香菜里屋」。カウンターの中からいつでも美味しい料理と酒、そして客たちの 会話から浮かび上がるミステリーの謎解きの鍵をそっと差し出してきた マスター・工藤。 「花の下にて春死なむ」「桜宵」「蛍坂」と続いてきた連作の完結編。 今までは、客たちの抱えている謎を解いたり悩みを少し軽く してあげたり、と、主人公というよりは語り手であり、サポーター として物語を支えてきた工藤だが、ラスト1冊の本書では、 彼自身の物語が初めて語られる。店を開く前の過去のある事件、 そして店名の由来になっている「香菜」という女性との出来事… しかし、それらが描かれることによって今までやさしくぼんやりと していた工藤の輪郭がはっきりと浮かび上がるような終わり方では なく、かえって、消化不良をおこしてしまったような(要は、まだ 語られてない真実がありそう…みたいな含みをもたせたまま、 このシリーズのエンディングを迎えてしまうのだ)感じがした。 もともと、ミステリーとして読むとこのシリーズ、割と 「消化不良な感じ」が残る謎解きもいくつかあったのだが、 それでも店で出されるビールや料理の描写がおいしそうなので 読み続けてきたのだけど…最後には、工藤自体が自分の人生最大の 謎を全部明らかにして大団円、みたいな判り易い終わり方でも よかったのに。と、一番食べたかった特別料理が売り切れで残念、 みたいな物足りなさが残った。お店の雰囲気、常連たちの会話など 実際にどこかにこんなお店ありそう、あったら楽しいかも、という ところは大好きでしたが。なので、終わるなら、それなりに 終わる必然性というか、工藤がある決断をしただけの理由がもっと リアルに描かれていてほしかった…要は、常連の人たちと同じで もう香菜里家に行けないのがさみしいのだ、たぶん。
8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
しんみりとしてしまう完結編,
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レビュー対象商品: 香菜里屋を知っていますか (単行本)
度数の違うビール、読んでいるだけでお腹のすいてくる絶品料理、お客様の持ち込む謎、 解決の糸口を示すヨークシャテリアのエプロンをしたマスター工藤哲也。 とても魅力的で懐かしさすら覚えてしまう、バー香奈里屋が完結しました。 今回の「香奈里屋を知っていますか」では少しづつ、常連客の足が香奈里屋から 遠ざかっていくお話が続き、ああ、ほんとうに終わってしまうんだなぁ、と さみしい気持ちになりながら読みました。 今回、工藤の過去、香奈里屋という店の存在意義が語られます。 そのため、工藤のライバルであり、親友の、バー香月のマスターが多く登場しています。 工藤の謎を解くための、証言者であり、探偵役にもなってます。 そして、書き下ろしの最終話では北森さん得意の登場人物総出演もあります。 いろいろな作品同士が思わぬところでつながっている。 これも北森さんの小説のおもしろさのひとつでしょう。 できれば、香奈さんと二人で、どこかの街で開いているであろうバーに またお邪魔したいものです。
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
著者に哀悼の意を捧げます,
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レビュー対象商品: 香菜里屋を知っていますか (講談社文庫) (文庫)
本作品は、ビア・バー香菜里屋を舞台とした連作ミステリ短編集の第4作にして、完結編となる作品です。東京・世田谷区、東急田園都市線「三軒茶屋」駅を出て、世田谷通りを路地に入ったところにある「ビア・バー香菜里屋」。 マスター・工藤哲也は、客から持ちかけられる謎を抜群の推理力で解き明かす…。 表題作が平成11年度(52回)日本推理作家協会賞を受賞した【花の下にて春死なむ】を皮切りに、【桜宵】【蛍坂】と続いてきた連作ミステリ短編集も、いよいよシリーズ終了に。 本書の5番目の収録作【香菜里屋を知っていますか】が最後の短編となります。 このシリーズの特徴は、「日常の謎」を中心としたマスター・工藤の推理もさることながら、客との会話の合間に「つまみ」として出される「料理」が絶品なこと。 「さぞかし酒がすすむだろう」と感じられる料理の数々に、このシリーズのファンになった方も多いのでは。 「ミステリ」と「酒」の両方が好きな方なら、一読の価値あり、と大いにオススメしたいところです。 ただし、本書巻末解説にもありますが、出来れば第1作から順番に読んでもらいたいものです。 というのも、このシリーズ、短編なのでそれぞれ独立した作品としても楽しめるのですが、ある作品に登場した人物が後の作品にも登場し、当初の作品の後日談的な話をする、という場面があり、時系列的に作品が収録されているからです。 また、本書の収録作で見ても、第1編【ラストマティーニ】で最終話を予兆させる出来事が描かれており、以下【プレジール】【背表紙の友】【終幕の風景】と、最終話に向けたエピソードが積み上げられていきます。 著者は、2010年に48歳という若さで亡くなりました。 本書は2007年に単行本で刊行されていたものを、文庫化されたのを機に読んでみたのですが、このシリーズが何らかの形で復活することは永久になくなってしまったことを思うと、大変に寂しい気がします。
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