日本の若い世代からすれば香港映画はカンフー映画以後から流通が始まったという印象もあるであろう。実際の所戦前から交流はあったわけで、この時期の交流を象徴する李香蘭自信の本を始め多数の書籍が出ている。その中にあっても尚この本の価値は非常に高い。
香港映画への日本映画からの影響等も論じられるが、日本と中国両方の映画の黎明期から、誰が何のためにどのように関わってきたのか、膨大な資料(戦前のものも含め日中両国の資料!)を元に緻密に書き記している。もちろん、台湾との関わりは頻繁に出てくるし、韓国や東南アジアや欧米との接点も顔を覗かせている。その映画界の交流の中で、相互の映画界にどんな影響を与えたのかという意味で、日本映画の歴史を知るにも、香港映画の歴史を知るにも、貴重な視点を与えてくれる。