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5つ星のうち 5.0
前作に引き続きいいです,
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レビュー対象商品: 首相の蹉跌―ポスト小泉 権力の黄昏 (単行本)
前作の『官邸主導 小泉純一郎の革命』は、全会一致の総務会を経て自民党本部が呑まなければ何も動かなかったという重層的な非決定システムが小選挙区制度による党本部への権限集中によって解体されていく中で、橋本政権から着々と強化された首相権力の基盤強化をバネに、小泉政権が一気に医療制度や道路公団さらには郵政まで変えてみせたという流れ。これを受けての今回の作品は、なぜ衆議院で2/3という絶対的な安定多数を持ちながら安倍・福田・麻生政権が三年間ほとんど何もできぬまま沈没していったのか、という問題を描いています。結論的にいえば、小選挙区制という選挙制度においてはマニフェストでしっかりと打ち出された政策でないものを実行しようとすれば、信を失うという結果が続いている、ということだろうと思います。なぜ小泉首相は政権末期にあんな人物を後継とするような緩みが出たのかという問題に関しては、あまりにも郵政選挙で大勝したからだ、と書かれています。それまでは「抵抗勢力」という共通の敵を持っていた竹中と飯島というソリの合わない二人の司令塔に亀裂が深まったからだ、と。《憲法改正を長期目標として掲げることは自由だとしても、次の衆院選までに実行することは不可能であり、有権者として評価するすべもない》(p.107)というのはフェアな評価なのかもしれませんね。福田政権に関しては、揮発油税などの暫定税率の一時的な廃止阻止を狙った「つなぎ法案」提出を最後の段階であきらめたことが、ボタンの掛け違いだったと語っています(p.303)。つなぎ法案を成立させて与党が優位に立つことによって、初めて本格的な話し合い路線が生まれたハズだったというのは、なるほどな、と。そうなれば道路財源の修正や日銀総裁問題もバーターで取引できたかもしれない、と。
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5つ星のうち 4.0
ポスト小泉の「つまづき」,
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レビュー対象商品: 首相の蹉跌―ポスト小泉 権力の黄昏 (単行本)
「官邸主導」を売りにした小泉政権と、それを目指そうとして挫折した(もしくは、しつつある)安倍・福田・麻生政権との違いは何か、というのが本書のメインテーマです。まさに、小泉後の歴代「首相の蹉跌」を扱ったルポ。 メディアでは、首相個人のキャラクターばかりが問題にされますが、ことの本質は、実はスタッフ登用の手法の相違にあった、と本書は指摘しています。以下のような具合。 ・「破壊者」のイメージが強い小泉首相、実は腹心・飯島秘書官を通じて巧妙に官僚機構を動かしていた。 ・「お友達」ばかり重用すると批判された安倍首相、実は真の腹心を作らなかったために自滅した。 ・官僚べったりと思われていた福田首相、実は懸命に「官邸主導」に努めた挙句にジリ貧になった。そのパターンはよくよく見れば安倍首相とそっくり。 きめ細かい取材に基づく記述はなかなか読み応えがあるし、安易な個人攻撃に堕していない点にも好感が持てました。 ただ、「蹉跌」の分析とか教訓を期待するとやや当てが外れます。政権運営を物語的に記述して、筆者の得意分野である「小泉政治」との比較を時々挿む、というスタイル。
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5つ星のうち 5.0
首相たちはなぜ失墜したのか,
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レビュー対象商品: 首相の蹉跌―ポスト小泉 権力の黄昏 (単行本)
プレイヤーが気づかぬまま、ゲームのルールが変わっていることがある。大きな変革期に特有の現象である。 本書は、安部政権以降の自民党の失墜の端緒を「郵政造反組の復党」に求める。 二大政党が対峙する小選挙区制度において、自党候補に対抗して選挙に出ることほど著しい「反党行為」はない。 それを認めては選挙で有権者に約束したことが意味をなさなくなるからである。 しかし、当の政治のプレイヤーたちが、その時点でそれが致命的な「ルール違反」であることに気づいていなかったという事実を、本書は丁寧に事実を追うことで明らかにしている。迫真の政治レポートであり、「政権選択選挙」を間近に控えた今、一読の価値があると考える。
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