すごく、面白かった。今まで読んだ彼の作品の中でも一番面白かった。
ミステリーとしても面白かったが、それ以上に、哲学、思想史の話としてもすごく読ませる本だ。
もちろん、ソクラテスを主人公としたフィクションではあるけど、当時のアテナイが現代の日本やアメリカ(いわゆる民主主義国家)とダブってきて、ラストでソクラテスがアテナイに対して鳴らした警鐘が、そのまま、私たちに突き付けられているような気がした。
デモクラシーって、きっと昔から変わっていないんだろうなぁ。人類の叡智が生み出したものなんだろうけど、維持することってすごく難しい。それは、ギリシア時代も今も変わらない。
作中の
「世界はただそれを認識するだけで事足りるのではない。それは子供でもできることだ。われわれギリシア民族に今必要なのは、むしろそこから抜け出すことなのだ・・・」
というソクラテスのことばは、深い。