全8巻からなる『養生訓』は、第1巻と第2巻が「総論」にあてられている。冒頭、人の身は父母が残した天地の賜物であるから健康に気を配り長生きを心がけよ、という言葉から始まり、養生の目的や意義、基本的な心構えなどが説かれている。以降、第3巻、第4巻は飲食について、第5巻は目や耳、口などの「五官」や入浴、就寝について、第6巻、第7巻は病気について、第8巻は老人や幼児について、種々の健康法や注意点などが続いている。
虚弱の人は餅・団子を控えよとか、宴席ではとくに食事の量を抑えよといった具体的な実践論がある一方で、養生の根幹だという「心を平らかにし、気を和やかにし、言をすくなくし」といった訓示もたくさん見つけられる。健康といえば体の問題だと考えがちな現代人にとって、新鮮に響く部分である。同じように『和俗童子訓』も、教育の原点を再考するうえで示唆に富む内容になっている。
自分の心身にとって「自然」な生き方こそが、仕事や生活の充実につながることは間違いない。過剰な行いを戒め、節度を説く本書から、そのヒントが得られそうだ。(棚上 勉)
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最も参考になったカスタマーレビュー
15 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
一読すべきです,
By 今倉 (徳島) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 養生訓・和俗童子訓 (岩波文庫) (文庫)
養生により天命を全うすることができるという考えのもとに貝原益軒自身が実行した養生が述べられている。私は若い時にこれを読み感激した。その後数十年も経ったが、やはり貝原益軒の言うことは正しかったという実感である。命や健康は百金にも替え難く、健康を維持する秘訣を教えるこの本は誰もが一読すべき本だろう。
11 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
現在人には,
By アマゾネス愛子 (ドイツ国カイザースラウテルン) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 養生訓・和俗童子訓 (岩波文庫) (文庫)
セックスに関する記述が面白い。
20歳未満はしてはいけない 20歳は4日に1回 30歳は8日に1回 40歳は16日に1回 50歳は20日に1回 ここもそうだが、現代人には真似できない点も多い。個人差もあるし。 そのまんま真似するより、うまくカスタマイズして利用するのがよろしい。
10 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
江戸時代の教育論です。,
By 金子義亮 "かねこよしすけ" (山口県下関市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 養生訓・和俗童子訓 (岩波文庫) (文庫)
お金(算数)の教育が大切。
それのみならず、文字をしらざれば、世間の事と詞に通せず、もろもろのつとめに応じがたくて、世事とどこをる事のみ多し。 又、日本にては、算数はいやしきわざなりとて、大家の子には教えず。 是国俗のあやまり、世人の心得ちがへるなり。 もろこしにて、古は、天子より庶人まで、幼少より、皆算数を習はしむ。 大人も国郡にあらゆる民(の)数をはかり、其年の土貢の入をはかりて、来年出し用ゆる分量をさだめざれば、かぎりなき欲に従ひて、かぎりある財つきぬれば、困窮にいたる。 是算をしらざればなり。 なんてことを読んで、お金の勉強ってこのころも今も変わらないのだなと思った。
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