なかなか面白く、鋭い指摘の本で、何箇所も付箋を貼って読みました。全体を通して思ったことは、「飽きる、とはかなり大人の能力である」ということ。著者はもちろん、努力や一生懸命を否定しているわけではない。ただ、「頑張っていればいつか必ず報われる」という安直な囁きには気をつけなければいけないし、「頑張ってるんだから報われないのは、認めない周りが悪いのだ」と自己暗示をかけながら、「努力している自分はエライ!」と陶酔しないように、ということを言っていると思います。
無理な頑張りはそもそも続かない。続かない頑張りを無理に続けていると、努力したのに自分が疲弊してしまって、結果が出ない場合は責任まで取らなければいけないことさえある。そういう場合には、この著者の言うように「うまく飽きる」ことが大きなヒントになりそうです。例えば、資格試験。何度も連敗しても「あきらめない」と年中行事のように試験を受けるというのもしかり。根性だけではダメ。うまく飽きることで、工夫の余地が生まれる。これ、かなり大人の議論だと思います。ただ、私はその大人の議論ができるためには、がむしゃらに努力するという学生の時期が絶対に必要かなと思いますね。今は、ヘタをすると小学生や中学生まで努力をできるだけ避けようとする。要領の良い方法はありますが、それを努力をしない方法と勘違いしているところが問題だとも思いながら読みました。
うまく、問題を「寝かす」こと。止めてしまわないために、うまく「飽きる」。いいヒントになりそうです。昭和のいる・こいるさんの「しゃあねぇ、しゃあねぇ、しゃあねぇ」も、まんざら間違っていないのでは・・と思いました。