タイトルから想像したようなアルコール依存症の弊害や治療法そのものを記したような内容の本ではなかった。
前半はアルコールに依存した筆者の生活やトラブル、断酒会をきっかけにお酒を止めるところが描かれていくが後半、物語は意外な急展開を見せる。
お酒を止めた人がなぜまた飲んでしまうのかという疑問から筆者は心理学を学ぶ。
そして自らのアルコール依存の「根」を突き止めていく。
この過程で驚くべき自らの半生が赤裸々に綴られていくのだが、全体を通しての場面の切り替えや、話の引用、情景の描写など卓越した文章力には驚かされる。
読み終わった後には感動的な映画でも見たかのような後味が残った。
自らの体験、というよりも人生を通して、お酒にはじまり、心理学、そして生き方にまで広がりをみせていく名著である。
アルコール依存症の人はもとより誰にでもお勧めできる一冊である。