現代の食を取り巻く環境は絶望的である、海原雄山の言うような食品がそう簡単に手に入る訳ではないのだから(笑)。
また医療の環境も絶望的だ。人体の構成材料が「食品」=広義の栄養素であるがゆえに、その過不足が、人体内の化学反応を遺伝子情報に基づいてパーフェクトに行わせることを不可能にすることによって病も起きるのに、それを薬で何とかしようという対症療法が医学の中心になっているのだから。
そこでその化学反応を順調ならしめる「酵素」の補酵素に関わるビタミン・ミネラルの補給に脚光が当たる。結合はブラウン運動による衝突に依存するから、過剰摂取の害のない限り高用量(=高濃度をもたらす)の服用が望ましくなる。いわゆるメガビタミン療法の基礎がそこにある。
市民が自己責任でそれを行うのだから、自己治療を妨げたい医療側の情報操作を廃して、問題の有るサプリメントについて生化学的・生物物理化学的に明らかに矛盾する基礎実験や臨床試験結果を集めて批判するならいいのだが、本書でそれに成功して客観的批判ができているとは思えない。
食事から摂るべきといっても、市販の野菜のビタミン量など、農薬や残留亜硝酸塩で帳消しになる現在、サプリの上手な利用が不可欠なのは論を待つまい。