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飲めば都
 
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飲めば都 [単行本]

北村 薫
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

日々読み、日々飲む。書に酔い、酒に酔う。新入社員時代の失敗、先輩方とのおつきあい、人生のたいせつなことを本とお酒に教わった―文芸編集女子小酒井都さんの酒とゲラの日々…本を愛して酒を飲む、タガを外して人と会う、酒女子の恋の顛末は?リアルな恋のものがたり。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

北村 薫
1949年埼玉県生まれ。早稲田大学ではミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、89年、「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。小説に『ニッポン硬貨の謎』(本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『鷺と雪』(直木三十五賞受賞)などがある。読書家として知られ、評論やエッセイ、宮部みゆきとともに選などのアンソロジー、創作や編集についての著書もある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 356ページ
  • 出版社: 新潮社 (2011/05)
  • ISBN-10: 4104066079
  • ISBN-13: 978-4104066070
  • 発売日: 2011/05
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.8 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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「私と円紫さん」シリーズが落語文学の新機軸なら、こちらは北村流「駄洒落文学」(?)の誕生か。そう思わせるほどに、おもしろいフレーズが満載。「さても監禁たますだれ」「裏地ミール・ホロビッツ」「あられもなけりゃあ、かきもちもない」など、大いに笑わせてくれます。まァ、題名からして『住めば都』ならぬ『飲めば都』ですから、予想通りと言えば言えますが…。
また出版社が舞台なのも、うれしい限り。これが、本好き読者にはたまらない理想の職場なんですナ。しかしそんな夢の職場でも、原稿を忘れて青くなったり、葬儀の花輪の名前が間違っていたり、人事異動に一喜一憂したり、と、エピソードはまさに現実の職場そのもの。特に、花輪や人事異動の話はどんな会社にもありがちで、サラリーマン生活の長かった者としては身につまされる思いでした。
日常に潜む謎への目配りも充分で、中でも「指輪物語」の哀切、「智恵子抄」の意外性などが秀逸。随所に散りばめられた名言も読みどころで、「愛は貧乏以外の全てを越える」「恋愛はうっかり、結婚はなんとなくするもの」など、思わずニヤリとさせられます。特に気に入ったのは、主人公が純朴な恋人に対して抱く「下には下がある」という感想。ユーモラスな中にも真理を突いて鋭ドイものがありました。全編、酒と肴のオンパレードで、読後にほろ酔い加減になるのも新趣向。その食通振りも、一般サラリーマンが少し背伸びした感じなのが好ましく感じました。
あとぜひ付け加えたいのは、主人公が、恋人の両親に挨拶に出かける車中での、微妙ないさかいの場面。《免許証、持ってないくせに》と思う主人公と「あっちに着いたら丸くね」と言う彼の心のすれ違いは、まさに恋人たちの現実を描破した感があります。歳をとると、人生に完璧はなく、理想の恋人たちにも日常の小さなほころびは有るのだ、とつくづく思いますが、そんな人生の真実をよくぞ描いてくれた、と思った次第です。もちろん作者は、そんなほころびにもめげず幸せになれるのもまた「人生の真実」なのだと、読者を励ますのを忘れていませんが…。
笑えて、泣けて、考えさせる「新シリーズ」の開幕。早く、次の「飲み会」に誘ってもらいたいものです。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
楽しかったーーー!!!
作品との波長が妙に一致したのか、ただただ楽しかった!

文芸雑誌担当の女性編集者の仕事・酒・恋模様を綴った連作短編
激情というよりは、日常の些細な喜怒哀楽が絶妙に描かれていた
社会や時代の空気観の切り取りかたも上手かった

私はお酒を飲まないので、実際のお酒の場の雰囲気を良く知りませんが
本著で少し疑似体験できた気になれました
読書って人生を豊かにしてくれるよなと思いました
(お酒はもっと豊かにしてくれるのかな???)

また、お酒の薀蓄も結構多く載っています
お酒は本当に種類が多く、その分だけエピソードもあるんだなと面白かったです

後、妙にウソ薀蓄がいっぱい載っているのも、なんかお得な感じがした
例えば「あられもない」の語源についてウソの説明があったり等
(ちゃんとウソのものに関しては直ぐ後にその旨が明記されています)
よくもまあ、こんだけ色々考えたよなと関心してしまいました

基本、酔っ払いの失敗談的な楽しい雰囲気ですが、
ところどころでピリリとしており、味わい深い作品でした
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7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
軽妙洒脱に物語は過ぎて、巻末に至って、ただ終わる。
職業作家が時間経過を技術で物語と化したかのような印象を受けます。

書き手が肩の力を抜いて楽しんで書いているのが伝わりますので、
読み手も構えずに手に取れば、よい暇つぶしとしての読書になるでしょう。

しかしながら、初期の作品群に接して、
この作家の作品を愛好してきた者としては、一種の危惧を抱かざるを得ません。

常に問題意識をもって己のテーマを追求せよ、とは申しません。
それは読み手にとってもなかなかしんどいことですから。

とはいえ、こだわりなくすっと読み進むことのできる文章に接すると、
その洗練さは、作家性が荒廃していく始まりなのではと恐れるのです。

ただの時間経過を見事に読ませて楽しませるのも立派な文学とは聞きますが、
わがままな一ファンとしては、それをこの作家に期待しているわけではありません。
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