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21 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
地味な語り口なのにぐいぐい引き込まれます,
By minoru223 (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 飢餓海峡 (上巻) (新潮文庫) (文庫)
『海の牙』と共に水上勉の社会派推理作家としての代表作であると共に、彼が推理作家から脱皮しつつあった頃の作品です。昭和29年に青函連絡船洞爺丸が沈没するという事件が起きました。そして同日に北海道の岩内町で町の三分の二近くが焼ける大火事がありました。ところが洞爺丸のニュースがあまりにも大きかった為に岩内町の火事は殆ど報道されなかったそうです。水上勉はこの出来事を借りて、洞爺丸を層雲丸、岩内町を岩幌町と改名して、実際には失火だった火事を放火に置き換え、放火犯が逃走途中で仲間割れを起こして殺し合い、死体を層雲丸の沈没でごった返す津軽海峡に投げ捨てて、沈没の被害者のように装うという犯罪を考え出しました。更に、舞台を戦後の混乱期である昭和22年に遡らせたことがミソとなっています。同様に洞爺丸沈没を素材にした推理小説に中井英夫の『虚無への供物』がありますが、両者の作風があまりにかけ離れているので、洞爺丸沈没に興味を持って両書を手にした人は戸惑うことでしょう。ある出来事に人間がどのように想像力をかき立てられるかは正に千差万別なのですね。ところで、私の読み落としかも知れませんが、本書にはひとつ活かされずに終わる伏線があるような気がします。時子のところを尋ねてきた謎の人物は結局誰だったのでしょう?
17 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
勇気を出して買ってよかった,
By
レビュー対象商品: 飢餓海峡 (上巻) (新潮文庫) (文庫)
前々からこの作品には興味をもっていたが、上下それぞれ400ページという長編だけに、長い間購入をためらっていった。物語は、青函連絡線転覆事故と北海道の大火災とに端を発している。この二つの事件に絡んで、二人の人間が逃避行を行う。スリルに満ちあふれ、上巻の最後まで一気に読めた。下巻の展開が楽しみだ。 わたしのように、読もうかどうしようかと二の足を踏んでいる方、是非読んでみてください
10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
貧しかった日本,
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レビュー対象商品: 飢餓海峡 (上巻) (新潮文庫) (文庫)
青函連絡船が転覆したその日、道内で大火が起きる。2つの事件の接点に事件が生まれる。最初は多少なりとも推理小説という趣きもある が、途中で犯人が明らかにされた後は、犯人が犯罪を犯した社会的背 景を戦後の貧しい日本の姿を丁寧に描きながら進んでいく。大きな仕 掛けだけでなく、小物にも心が配られており、安心して読み進められ る作品だと推薦したい。
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