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15 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
つばのたまる一冊。どこからでもどうぞ。,
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レビュー対象商品: 食糧棚 (単行本)
食べ物には、いろんな思い出がついてまわる。その感触、その香り、その味、その腹へのたまり具合――人によっては、綿菓子が子供時代の悔しい思い出をよみがえらせ、あるいは特別な折りに食べた何かを思い出させ、ある時期にずっと食べていた何かを通じて、その時代が一気によみがえったりもするだろう。本書はそういう食べ物と、それをめぐるちょっとした(あるいはご大層な)物語を64編集めている。それは時に現実的、時に幻想的、またある時は冗談めかして、またあるときは深刻。それぞれが、時に定石的な、時に意外な形で食べ物と結びつく。クレイスは「死んでいる」でも淡々とした語り口でストーリーに山場を作らず、それが人によってはもどかしいようだけれど、この連作短編集ではそれが実にはまっている。どこから読んでもいい。必ずやあなたの琴線にふれる一皿がある。そして読んでいて、思わず口の中につばがたまる一冊でもある。また渡辺佐智江の訳はいつもながら見事。
8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
食欲の失せる一冊,
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レビュー対象商品: 食糧棚 (単行本)
恐怖やグロテスクさやおかしみや悲しみや郷愁が,読後にじんわりと,ぼんやりと残る不思議な作品。一行一行噛みしめるように読みました。ただし,「おいしそう~」という話はありません。電車で読んでいるとついつい吐き気がします。
5つ星のうち 4.0
長編を読む気にはなりませんが…,
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レビュー対象商品: 食糧棚 (単行本)
「食材」をテーマに、64個(チェス盤の升目の数)のショートショートを描いた本です。食欲をそそる話ではなく、「人の心に不安をよびさます、妖怪のような存在」として食物は書かれます。でもそれ無しに生命をつなぐことは できないので、「食べる」という行為は繰り返されます。 (この作家には他に「40日」という食べなかった男の話や、「死んでいる」という夫婦の死体が海辺の生き物に食われていく話があるそうです。) 柴田元幸の「つまみぐい文学食堂」で紹介されてた、「83歳の老人から取り出した良性の植物性のポリープを植木鉢に植えて育てて増やし、 それを医者はグラタンにして兄夫婦といっしょに食べた」という短編も、この本に組み込まれてました。 私には、この作家そのものより翻訳の渡辺佐智江という人の名前を知ったことが、この本の収穫でした。こういうクセのある作家のものを、 近づきすぎず、離れず、ちょうどいい距離を保ちながら日本語に置き換えていると思います。
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