石油が無くても死にはしないが、食糧がなければ死んでしまう。
人口が増大するも農業生産は頭打ちである。
これからは食糧を奪い合う時代がやってくる、いや、すでに始まっている。
そして遺伝子組み換え技術をはじめとする先端技術を使ってメジャーが途上国から収奪する構造が出来上がりつつある。
おおよそ本書の内容をまとめるとこんなところであろうか。
全体的には食糧をめぐる世界の危機的現状を伝えるというより、穀物メジャーを中心とするアメリカの戦略に注意せよというメッセージが強い。
データや資料に基づいてはいるが、事実よりもメッセージが優先されているような気がするし、自然現象のコントロールといった確たる証拠もない怪しい話もある。
おおよその所は他のメディアや書籍でも紹介されているような内容であり、わかりやすくまとめていると思うが、どうも今ひとつ推薦しにくい本である。
水資源と並んで農業資源がこれからの世界を左右していく大きなファクターであることは間違いないであろう。そして欧米勢力が優勢であり、本書で紹介されているような興味深い取り組みはあるものの、全体として日本は出遅れているのも事実である。
これまでの技術や伝統の蓄積を活かして日本勢にも奮起してほしいところである。