入門者から釣り人・料理人、漁業・食品加工・販売といった業界の関係者、専門の研究者にまで役立つ、食用水産生物の大百科である。
第4巻は、魚類ではハゼ・サバ・マグロ・カレイ・フグなど、魚類以外では海藻、カエル・カメ・ワニ・ウミヘビなどの両生類・水棲爬虫類、さらにクジラやトドなどの海獣類を取り上げ、捕鯨問題についても、「かわいそうだから獲るな」「日本の伝統だから獲らせろ」の感情論ではなく、鯨類利用の歴史や現在の各国の捕鯨事情をきちんとふまえた視点から議論がなされている。コラム・トピックスでは海洋生物の毒(p.67、p.142-143)、マグロに関する話題、海藻の各種成分の説明などがあり、缶詰についての記事に掲載されている大正時代から昭和30年代ごろまでの缶詰ラベルの写真など、商品デザインの変遷を考える上でも興味深い。
全4巻を定価で揃えると1万円を越え、決してお安い本ではないものの、中途半端な図鑑や食材事典を何冊も買うより本書を全巻持っていた方が、長い目で見れば間違いなくお得だろう。水産に関連した会社や官庁、報道機関などの参考図書としてもお奨めできる好著である。