2007年から2008年にかけての世界的な食糧危機は記憶に新しい。
飼料価格高騰に喘ぐ畜産農家。
原材料価格高騰に苦悩する食品メーカー。
値上げに踏み切る外食産業。
そしてスーパーの値札を見てため息をつく我々消費者。
これらは何故起こったのか?
本書の前半では、今回の食糧危機について、経済学的視点を取り入れ検証している。
後半では諸外国の食糧政策を紹介し、日本の政策のあるべき姿について論じている。
そしてアジアにおいて日本が取るべきポジション、さらにはWTOやFTAへの取り組みに向けた姿勢について、著者からの提言が示されている。
特にコメとその農家に重点を置き、誤解を受けやすい農家への補助金の意義について、具体的な数値とシミュレーションによって、わかりやすく詳細に知ることが出来る。
今回の食糧危機は、我々に甚大な影響を及ぼし、日本という国の食糧政策が決して盤石ではないことを浮き彫りにした。
また再び食糧危機が訪れたとき、スーパーやコンビニに食料品が潤沢に陳列される保証はない。
その時、飢えないために、我々消費者をはじめとした国民一人ひとりが正しい知識を身につけ、理解し、適切な判断を下さなければならない。
何よりもまず最初に、我が国の食糧事情について、少しでも関心を持つべきではないだろうか。
本書はそのきっかけとなるだろう。
食糧政策は国家百年の大計である。
そしてマルサスの悪魔はそこまでやってきているかも知れない。