"The Atlas of Food: Who Eats What, Where and Why"2版(2008年)の翻訳。
本文は全ページカラーの見開き2ページで一つの項目を取り上げ,「世界の食料供給」,「不均等な分配」,「栄養不足」,「栄養過剰」,「水不足問題」,「工業的家畜生産」,「遺伝子組み換え」,「有機農業」,「家畜の輸送」,「フェアトレード運動」,「食習慣の変化」,「食品添加物」,「外食」,「広告とマーケティング」等々,合計40項目の事項について解説されている。いずれの項目の解説も,地図や図表と具体的な統計データが主体となり,そこに要を得た簡潔な説明が加えられているので,全体像を一目で了解できるような作りになっていて,きわめて理解しやすい。
英国人の研究者が書いた本なので,日本を中心に据えた内容ではないが,もちろん日本に関するデータもきちんと挙げられており,世界の中での日本の位置を相対的に捉えることができるし,その視点から,今後の日本の食料問題の考察もなされるべきである。
前書き(「はじめに」)で著者たちは食料に関する今日的諸問題を指摘しているが,その原因追及や改善策を明示的に示すことはしていない。そうした問題を考えるための基礎的な資料集として,本書は有効なのである。