韓国宮廷料理の名店『雲岩亭』の後継を巡る兄弟の対立を軸に、多彩な食文化を描き、食の本質に迫った意欲作です。
義理の弟ソンチャン、彼は朝鮮末期、王の寵愛を受けた宮廷直属の料理人『待令熟手(テリョンスクス)』の子孫なのですが..、を店の後継ぎにと考えている総料理長に反発した実の息子ボンジュは、ひたすら雲岩亭の事業拡大に向けて突き進んでいくこととなります。
華やかな宮廷料理、斬新な創作料理、そして、庶民の家庭料理まで、様々な料理が登場し楽しませてくれます。先ず第一の見所は後継者の座や、牛肉取引を賭けた料理対決の場面で、終盤に登場する日本人料理人との対決も見逃せません。
そして、これらの華麗で迫力ある表舞台よりも、観ていて惹き込まれること間違いない第二の見所は、雲岩亭を離れて行商をするソンチャンが出会う、食に纏わるエピソードの数々。刑務所にいる息子に食べさせるカニビビンバ、理由あって追い出した嫁に残したおばあさんのキムチ、味覚を失った母が心で味わう料理など、哀しくて、心温まる物語には、思わず目頭が熱くなることでしょう。
代役なしの包丁さばきが見事なソンチャン役キム・レウォンは、対決シーンのキリットした表情もいいけれど、普段の食事の準備をしている場面が本当に楽しそうで、美味しそうで、笑顔の魅力いっぱいのまさに本領発揮! と言えますね。
料理コラムニスト志望の新人記者ジンス(ナム・サンミ)と秘書室長ジュヒ(キム・ソヨン)との恋愛模様が花を添えていますが、彼女達も含めて職業人達を描いたドラマであり、男の仕事として料理人の世界を骨太に表現した作品を是非お薦めします。