食べ物を題材にした詩集です。
言葉はまず音。
音である言葉は唇から放たれていく。
同じ口を通るからか、ときどき言葉の扱いは食べ物に似ている。
甘い言葉、苦い言葉。
噛みしめる言葉、飲み込めない言葉、噛み砕いて説明する。。。
ここに書かれているのは
食べてもらうための言葉の作り方。
ちゃんとおいしく食べてもらうための。
そして
著者の考える正しい言葉の食べかた。
饗されるのは
言葉や人生であったり、
(「言葉のダシのとりかた」「ふろふきの食べかた」)
有名な小説から想像した食事風景であったり。
(「ラ・マンチャの二人の男」、「ああ、ポンス」など)
例えば「言葉のダシのとりかた」はこんな風。
「他人の言葉はダシにはつかえない。
いつでも自分の言葉をつかわねばならない。」
この言葉は澄んでいて、ちょっぴり苦いけれど
なんとすがすがしいのだろう。
言葉をつきつめ、言葉を大切に扱ってきた著者の、
言葉の調理方法はどれも味わい深い。