西日本新聞に連載されて大反響を呼んだ記事の漫画化である。
連載記事には関心があっただけに、「コミック編」と聞いて一抹の不安があった。
もともと、活字の作品を漫画化することは決して簡単ではない。
活字は「抽象」を得意とし、漫画はとことん「具体」を追求するものだからだ。
だから、下手に「コミック化」された活字作品は「絵にならない」ものが漫画にできないまま(活字のまま)、漫画の中に無様に差し込まれることになる。
当然、そういうものは漫画としてはまったく面白くない。
この作品は、記事に共感した魚戸氏によって、漫画作品としてきっちり仕上げてある。
原作の漫画記事を知らなくても、面白い。
読者は、漫画として読んで感銘を受け、共感することができる。作品の力である。
その背後に、魚戸氏の丁寧な取材があることは言うまでもない。
北海道出身の魚戸氏が登場人物に極めて正確な九州弁を喋らせている。
この一点だけを見ても、極めて丁寧に作られた作品であると言える。
「食」に関心のある人たちに、ぜひ読んでいただきたい。