アメリカ人のライフスタイルに合う巨大スーパーの存在や最近のファーマーズ・マーケット(産直)の増加、ベジタリアンの現状や家庭の食をつかさどるバイブルとも言える料理本、世界中から集まるエスニック料理、郷土食など、登場する話題は、どれもがアメリカ人の食に対するメンタリティーをよく表している。
ポテトチップス、タバスコ、スライスチーズ、コーンフレークといったアメリカン・フードの誕生のいきさつを見れば、利便性や楽しさという付加価値が浮かび上がる。食という切り口からアメリカ社会の一面が透けて見えてくる。
( 稲田由美子)
(日経レストラン 2003/05/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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自炊をしているシーンが極端に少ないことも気になっていました。
買って食べたり(日本で言う中食)、TVディナーという冷凍食品を解凍して食べたり、台所に立たない理由がアメリカにおいて産業が発達していくにつれてコマーシャリズムによって作られていった事が本書で確かめられます。
もちろん、そのコマーシャリズムに対して自炊を推進している人たちもアメリカにはいます。その人たちの買い物の実態も書かれていてとても興味深いです。
日本における食生活が戦後コマーシャリズムによって大幅に変化していないかどうか本書を通して見ることができます。
たとえば「アメリカで進化する日本食」の章によれば、アメリカのスシはにぎりではなく巻物が中心であるという。その中身もアボカド、クリームチーズ、ソフトシェルクラブ、あぶったサーモンの皮と、実に多彩だ。もちろん「スシとはこういうものだ」という固定観念がなかったこともあるだろうが、著者は「何か人とは違うものが食べたい」というアメリカ人の嗜好がそうした巻物を生んだと指摘する。にぎりよりも巻物のほうが断然にオリジナリティを出しやすいからだ。
ほかにもベジタリアン、料理本、スーパーマーケット、ファーストフードなど、興味深い考察が並ぶ。
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