日本では最近、「食育」や「医食同源」という言葉が聞かれるようになった。
その一方で、アメリカのファストフード店が次々に進出し、日本全国どこにいっても見かけるようになり、
ファストフード店を利用する人も増加の一方だ。
マイケル・ムーア監督が映画『
シッコ [DVD]』でアメリカの医療問題を鋭く切り込んだのに対し、
本書の著者であるスパーロック監督は映画『
スーパーサイズ・ミー [DVD]』で、
「1ヶ月間マクドナルドの食事しかとらない」という捨て身の人体実験を試み、
ファストフード食がどれだけ健康に有害であるかを示した。
本書ではファストフード業界の広告戦略を皮切りに、ファウストフード食の危険性、
ファストフード業界の学校給食への浸透とその影響など、ファストフードがアメリカ社会に与えている影響を
さまざまな点から追及しており、現代における食と健康について考える際の必読書であると思う。
いわば、堤 未果さんが『
ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)』で描いたアメリカの貧困と肥満の問題を、
「ファストフード」という切り口からさらに発展させていると言ってよいだろう。
ファストフードをよく利用する人(本書の中では「ジャンクフード中毒」と呼ばれる)、
そして、ダイエットに興味のある人は、本書の第13章をぜひ読んで欲しいと思う。
なお、本書で日本に関して著者が語る言葉は、日本人に送られた言葉だと思うので、以下に引用しておきたい。
日本では不思議なことが起こった―どのテレビ局もラジオ局も、ぼくにインタビューしようとしないのだ。全くなしだ。これは何かの偶然だろうか?違う、と僕は思う。僕が訪れたほとんど全ての国で、マクドナルドの代理人たちがメディアに迫った―スパーロックにインタビューをしたり映画の話題を伝えたりしたら、そうとうな金額の広告収入を失うことになるぞと。アメリカ以上に、日本は文化的に企業の支配に従順だ。そして日本のメディアは特に広告主に対して従属的だ。<略>そして、悲しいことに、日本はアメリカ式ファストフード食が健康的な伝統的食習慣を最も激しく破壊した国の一つなのだ。