日本文芸社のB級グルメ専門漫画誌『食漫』に発表された表題連作に醤油メーカーや地域商店街の協賛漫画を数編プラスした内容で、他のレビュアー諸氏が御指摘の通り、泉昌之さんの初期傑作「夜行」と同様の外食に関する男のこだわりとプライド、そしてセコさが滲み出る愛すべき短編集です。
昨年末に本ユニットの原作担当、久住昌之さんが水沢悦子さんと組んで上梓された「花のズボラ飯」とは打って変わった軍師気取りのムサイ男が食べ物屋で一口ほおばる毎に味や己のメニュー選びの失敗に身悶えしながら独りごつ様がなんともユーモラスです。『泉昌之』としてはこちらが本道なのですが…。
主人公、トレンチコートの男に勝手にライバル視される粋人、力石君の颯爽とした格好良さも見物です。
作画担当・泉晴紀さんの劇画のパロディの様な独特のクドイ画風も健在です。旧作ファンをニヤリとさせる大巨獣ガッパや、ウル○ラ・セ○ンやゴ○ラもどきも一コマ登場致します。
巻末にユニット・泉昌之さんとしてのこの30年に発表された単行本の紹介が出版社を超えてされています。