世界地図というより世界史かな? 前菜は「新大陸の食材が世界史をどう変えたか」というお話。ジャガイモ、トマト、唐辛子、トウモロコシ等新大陸起源のメジャーな食材が登場、とくにジャガイモは欧州の救荒作物として大普及しアイルランドのジャガイモ飢饉では世界中に移民が散らばりその中にケネディの祖先がいた…とかね。有名なお話が多いんだけど、なぜだか飽きません。考証がしっかりしてるからか。
一皿目。ナンはイラン起源で北インドの食べ物である。南インドはチャパティが主流。北イタリアは手打ちパスタが主流なのでやわらか味。アル・デンテは乾燥パスタが主流の南イタリアのこだわり。……なんて話題はぼくは知らなかったのでとても面白かった。本書を読んで、たとえばインド料理屋に行くと、一枚のプレートの上に世界地図が広がっているような感慨を受けますよ。イラン起源のナン、新大陸の唐辛子、ユダヤ教イスラム教ヒンズー教の影響で肉はチキンとマトン、野菜類はアフリカ起源新大陸起源ヨーロッパ起源…ああめくるめく食の世界。
二皿目、フランス料理を中心とした話になります。デュマの料理事典やナポレオンの故事、革命で失職した宮廷料理人がレストラン隆盛のもとになった…等々、歴史のスターたちにちなむ料理が次々と紹介されます。けどぼく的にはあまりヒットしなかったなー。どっちかというと東洋史のほうが好きだからだろうか。本書には中華の話はあまり出てこないんだよね。西洋史はちょっとゲップ気味なので★は4つ。
しかし小事典が巻末付録についてて、これだけでもかなりのボリューム。デザートもぬかりなしってことか。蘊蓄のための本と言うより、世界史と自分のつながりを再認識できるってとこが気に入りました。