著者は世界25カ国61地域を調査した家森幸男氏で、調査結果より“長寿の秘訣は食にあり”と主張されている。(中略)
本書は、日本経済新聞に掲載した内容を加筆・修正し、1冊の本にまとめたものである。
世界各地で調査した結果より長寿の秘密が食にあること、並びに食習慣が変わることで寿命や健康に重大な変化を及ぼすことを説いている。また、ファストフードが食習慣を破壊し、結果として健康の悪化や平均寿命を短くすることも取り上げている。
最後はエッセイを1章にまとめたもので、現在の取り組みや若年層の食の悪化について指摘している。幾つか印象に残った箇所があったので、以下に箇条書きする。
(1)一日一膳
…朝昼晩のうち1回は、身体に優しい食膳を摂る。
(2)大豆
・フランスでは「食べる化粧品」として販売
・美容やメタボの予防に最適
・癌の発生率も低下
・出産にも有効
(3)孫子[まごこ]は(わ)やさしいよ
・ま…豆
・ご…ごま
・こ…米
・は…わかめ、海藻
・や…野菜
・さ…魚
・し…しいたけ、きのこ
・い…いも
・よ…ヨーグルト
(4)「人は血管とともに老いる」
…血管の老化が寿命を決定
(5)健康10ヵ条[長寿力の条件]
・1…食塩を控えめに
・2…脂肪、とくに動物性脂肪をとりすぎない
・3…野菜と果物をたっぷり
・4…乳製品をとる
・5…魚や大豆で良質なたんぱく質を
・6…食事は大勢でにぎやかに
・7…食材をバランスよく
・8…1日1膳(1日のうち1食は体にやさしい食事を)
・9…長生きは勝ち取るもの
・10…前向きに明るく楽しく生きる
できることなら、本書を読み、NHK教育テレビで放送された「長寿の謎を解く」を視聴されることを強く希望する。DVDでも発売され、室蘭ではTSUTAYAでレンタル可能である。
教育テレビと聞いてお堅い内容を連想される方もおられるかもしれないが、食のONE PIECEと思えるほどワクワクする。番組を視聴することで著者の体験談に海馬が刺激され、視聴後に本書を読むことで番組の内容が大脳新皮質にスッと入るだろう。
また、本書は「長寿の謎を解く」と重複する内容が大半を占めており、番組後のことも取り上げている。よって、復習テキストとしても続編としても最適な本である。
個人的には、学校の教材として使用すると更に効果が上がるのではないかと考えている。朝食を摂ることの重要性が叫ばれ、食育にもスポットライトが当たっている現在、本書とDVDを通じて失われつつある日本の良き食習慣を取り戻せるきっかけになるのではないだろうか?